ホーカーフードの魅力にはまり200店以上を食べ歩いたYUMIの独断と偏見で選んだおすすめグルメシリーズ<最終回>
【Hawker-holic vol.12】
美味しいけれどちょっとだけマニアック編
いつもご愛読ありがとうございます。
日本帰国になってしまったために、一年にわたって連載してきたこのシリーズも今回がシリーズ最後となってしまいました。
チキンライスにラクサにチリクラブなど、誰もが知っている名物以外にも美味しいものが沢山あるシンガポール。最終回は美味しいけれどちょっとだけマニアックな、でもシンガポーリアンや在住日本人に人気のローカルフードをご紹介します。
WHO AM I?
yumi :
シンガポールに来て以来、ローカルフードにはまり、ホーカー開拓を開始、現在では200店を超えるホーカーを食べ歩き、美味しいお店を発見するのが日々の楽しみグルメ女子。
おすすめグルメ1:
Thunder Tea Rice 擂茶
サンダーティーライス、またはレイチャと呼ばれるこの料理。ご飯の上に刻んだ野菜などの具を乗せてハーブの入ったお茶をかけてお茶漬け的に食べるという、シンガポールにしては珍しいヘルシーな料理です。
あまり美味しそうに思えず長らく挑戦していなかったのですが、一度食べて見たらその美味しさに今まで食べてこなかったことを後悔したくらい!
Hakka Thunder Tea Rice 客家佬擂茶
HDBが並ぶローカルな地域にあるこちらのストールは、開店と同時にあっという間に列のできる人気店です。20分程並んで、ブラウンライスのサンダーティーライスにゴーヤと豆腐のヨントーフ追加で注文。ヨントーフは店頭に並んでいるので指差しすれば大丈夫です。
ヨントーフを頼んだ場合は店頭にあるチリとソースをお忘れなく。
上に乗る具は店により様々ですが、こちらは炒り豆腐、イカンピリス、ネギ、白菜、ピーナッツ、セロリ、菜っ葉の漬物等。よく混ぜて頂きます。メインは野菜なのであっさりしているのですが、個々の具に仕事がしてありそれぞれの風味や食感が違うので飽きることなく食べ進められます。
これは美味しい。
日本人、特に女性好みの食べ物だと思います。ヘルシーだから、ではなくて美味しいからまた食べたいと思える一品です。
どんどん売れていくためヨントーフも逐次揚げていて、ゴーヤと豆腐のヨントーフは揚げたてでした。ソースをつけなくても、そのままで十分に美味しい。これだけでもお店をやっていけそうなレベルです。
スープは濃いお茶に種々のハーブが入ったもので少し苦め。粉っぽいのでむせないよう注意してくださいね。
私は正直スープはさほど好きではないのでお茶漬けにはせず、レンゲにご飯を掬ってスープに沈めて味変したり、またそのままで食べたり。言えばヨントーフのスープももらえるのでそちらと食べるのもいいですね。
サンダーティーライス以外に板麺やヨントーフも出しているためか、平日の昼間でも行列必須です。見えない行列(注文して周りで待っている)があり列が進まずかなり待ちますが、店員さんの対応はとても感じがいいので頑張って並んでみてください。
料金
- Thunder Tea Rice(Brown rice):4ドル
- 豆腐・ゴーヤのヨントーフそれぞれ:80セント
味 :★★★★★(女子受け抜群)
アクセス:★★★(駅からもバス停からもちょい距離あり)
混雑 :★★(行列あり、かつ進みも遅い)
値段 :★★★★(満足度に対してリーズナブル)
Hakka Thunder Tea Rice 客家佬擂茶
1A Commonwealth Dr, Tanglin Halt Food Centre #01-31, Singapore 141001
11:00-19:30 月曜定休
おすすめグルメ2:
経済飯 economic rice
店の前にずらっと並んだおかずの中かから好きなものを選んでご飯と一緒に盛り付ける、名前の通りの経済的なシンガポール風定食、エコノミックライス。肉1野菜2+ご飯で3-5ドルくらいが一般的です。
マレー風のストールはご飯がココナッツライスになり名前はナシパダン。
ご飯が麺になる経済麺(エコノミックビーフン)もありますが、こちらはおかずがチキン・練り物・キャベツ炒め・目玉焼きくらいなのが一般的です。
Ocean Curry Fish Head
ブラッデルから徒歩7分程のコーヒーショップの一角にある開店と同時に行列のできる人気店。
こちらの名物はその名の通りフィッシュヘッドカレーですが、実はエコノミックライスの人気店でもあります。たくさんのおかずが店頭に並んでいて、選ぶのが大変なくらいです。
ニンニクの効いた白菜の炒め物は野菜なのにご飯泥棒。なにげないブロッコリーの炒め物も、絶妙の炒め加減で絶品。
私の一押しはしっかり味のイカのオイスター炒め。どのおかずもひと工夫されていて美味しくご飯にあいますが、お願いするとカレーのソースをかけてもらえる(言わないとくれない)のでお忘れなく!
複数人の場合はナス、トマト、オクラ、玉ねぎ等野菜もたっぷり入ったフィッシュヘッドカレーも、中華系の日本人受けする味付けで、魚がふんわりと柔らかく美味しいのでオススメです
食べ終わってふと見渡せば席待ちがいるほどの大混雑。かなりのテーブルでカレーを頼んでいて、人気のほどが伺えました。人気のあるコーヒーショップなので開店と同時の訪問をオススメします。
Telok Ayerのアモイフードセンターの向かいにも店舗がありますが、そちらもランチ時には大行列です。
- フィッシュヘッドカレー ハーフ:25ドル
- エコノミックライス:5ドル(1枚目トアパヨ店)13ドル(2、3枚目テロックアヤ店)
味 :★★★★(日本人好み)
アクセス:★★★(遠からず近からず)
混雑 :★★★(注文時並ぶ)
値段 :★★★(普通)
Ocean Curry Fish Head
92 Lor 4 Toa Payoh, #01-264, Singapore 310092
11:00-14:00 17:00-21:00
おすすめグルメ3:
Popiah ポピア 薄餅
薄くてもちもちした皮に切り干し大根の煮物のようなもの(使われているのはヒカマという根菜)やピーナッツやレタスなどの具を巻いたシンガポール風生春巻きのようなポピア。
イマイチ美味しそうに聞こえないと思いますが、食べてみると想像以上に美味しくはまってしまう人の多いメニューです。
Ann Chin Popiah
私の一押しはAnn Chin Popiah。
ミシュランガイドにも乗った有名店です。ひとつ1.7ドル。
注文するとその場で巻いてくれるポピアは卵にもやしにレタスやヒカマなど具沢山。安珍のソースはにんにくが効いていて甘い具との相性が抜群です。そこにカリカリしたあげ玉のような具やナッツがアクセントになって、あっという間にぺろっと完食。
注文時聞かれるチリの有無はお好みですが、入れたほうが味がしまるのでおすすめ。ヒカマの汁気が絶妙なので、最後までカリカリ美味しくいただけました。
野菜がたっぷり使われていてヘルシーな上に安くて美味しい絶品ポピア、騙されたと思って一度は試して頂きたい一品です。
料金
- ポピア:1.7ドル
味 :★★★(優しい味)
アクセス:★★★★★(観光のついでに)
混雑 :★★★★★(ほぼ待ちなし)
値段 :★★★★★(ポピアはどこも安め)
Ann Chin Popiah
5 Banda Street, #01, Singapore, 050005
8:00-22:00
おすすめグルメ4:
麻辣香鍋
ホーカーやフードコートで野菜などがずらっと並んでいるお店を見たことはありませんか?魚のすり身の詰まった野菜や豆腐があればそれはシンガポール風おでんのヨントーフ屋ですが、生の肉や魚介類が並んでいたら、おそらくそれは麻辣香鍋です。
麻辣香鍋とは麻(山椒の痺れる辛さ)辣(唐辛子の辛さ)味の炒め物。鍋という名前ですが通常汁は無く、自分で好きな具を選んで炒めてもらい、ご飯やインスタント麺と一緒に頂きます。
日日紅麻辣香鍋 Ri Ri Hong Mala Xiang Guo
麻辣香鍋といって一番に名前があがるのはこちらのお店。
People’s Park Complex内に複数店舗を構える人気店です。具はお店の人に取ってもらうスタイル。名前のわからないものは指差しすれば大丈夫です。標準のミディアムスパイシーは結構辛めなので辛いのが苦手な方は「レススパイシー」とお願いしましょう。
つゆだく、スープ有り、油少なめなどのオーダーも可能です。注文後は裏手にまわってお皿を受け取りますが、番号は中国語で呼ばれます。わからなくても、札を見せれば大丈夫。
オススメの具はレンコン、きくらげ、湯葉、えのき、豚肉あたり。味が濃いのでごはんがマストですが、ジャンクに行きたい時はつゆだく(モアグレイビー)でラーメンを入れるのもおすすめ。山椒のビリビリや辛さの中にコクがあって、忘れた頃にふとまた食べたくなる美味しさです。
フードコートより断然安いのに圧倒的に美味しいのでいつ行っても混んでいますが、複数店舗があるので入り口の店が行列していたら左奥にある別店舗に行ってみると案外混んでいなかったりします。平日の昼間ならそれほど待たずに食べられますよ。
味 :★★★★(癖になる)
アクセス:★★★★★(駅目の前)
混雑 :★★★★(座って待てる、支店もあり)
値段 :★★★★★(選ぶ具次第だけれど圧倒的安さ)
日日紅麻辣香鍋 Ri Ri Hong Mala Xiang Guo
32 New Market Rd, #01 42 52 珍珠大厦 Singapore 050032
11:00-21:30
※マカンスートラの箸
みなさんご存知のレストラン評価ガイドブック、ミシュラン。シンガポールにはそのB級グルメ版ともいえる「Makansutra」(マカンストラ)があります。
Makanは「食事」sutraは「経典」を意味し、食の経典というその名の通り、多種多様なローカルグルメをジャンル分けして評価している必携ガイドブックです。
多少の高級店も載っていますが、掲載されているのは庶民的なお店やホーカーが中心。ミシュランが星の数でお店を評価するのに対して、マカンストラは箸の数で評価します。
使い方は簡単、料理の名前がABC順に並んでいるので目当ての料理を探すだけ。こんな料理もあるのね〜なんてみているだけでもワクワク。ホーカー巡りをしてみたいなら、持っていて損はありません。掲載店はストールの前にマカンストラのマークが貼られていることも多いので、ホーカーに行ったらチェックしてみて下さいね。
最後にホーカー初心者へのアドバイス!
ホーカーについたらまず席を確保します。方法は簡単、ティッシュを置くだけ。混んでいる時は相席をお願いされることも多いです。逆に相席をお願いしても使っていなければ快く使わせてくれます。嫌だなぁという方は、お昼などのピークを外して行くといいですよ。
大抵のホーカーでは食器を片付ける専門の人が片付けてくれるのですが、日本人の感覚だと適当だなぁと感じるかもしれません。机や椅子を拭くためのウェットティッシュを用意して置くと完璧です!私はホーカーに行くときはダイソーで買ったフローリングワイパーを必ず持っていきます。
言葉が通じないかも・・汚いかも・・など最初は抵抗があるかもしれませんが、一度ハマると抜け出せなくなるのがホーカーの魅力。一見愛想のなさそうなアンコー(おじさん)やアンティー(おばさん)も、話しかけると優しく親切なことが殆どです。
是非シンガポーリアンに混ざってのディープなローカルフードを体験してみてください。
※お店の情報は記事公開時点のものです。お店が変わっていたり、値段が変わっていたりすることがあります。