こんにちは!小さい頃はよく釣りやキャンプに行っていた、色白なのに実はアウトドア派のソムリエ、渋谷です。
とはいえ、それは涼しい北の大地・北海道でのお話。
シンガポールに来る直前に住んでいた日本最北の稚内、シンガポールとの温度差は40℃以上!
慣れるまでとても大変で、涼しい場所を求める日々が続き、あれから10年近く経った今では、すっかりカフェ通いが趣味のインドア生活が定着しています。
ですが年中常夏のシンガポール、特に最近は国から出られないストレスもあり、やはり外でBBQをしたいです。
BBQピットを解禁したコンドも多いので、既に多くの方が楽しまれているのではないでしょうか。
プールサイドにしろバルコニーにしろ、暑い日差しに照らされながら食べるお肉は最高ですよね!
キノコや魚をホイル焼きにしたり、鉄板で焼きそばを作ったり、楽しみ方は色々。
小さい頃の我が家のキャンプでは、ジンギスカン鍋で肉を焼いた後、鍋を裏返して〆の焼きそばを作るという、独創的なやり方をしていました。
北海道ならではなのか、渋谷流なのかはさておき、その形状から使いやすいのでオススメです。
もしジンギスカン鍋が手に入ったら、試してみて下さい。
今月は、そんなBBQにぴったりの、コスパ抜群ワインをご紹介いたします。
しかもなるべく近所のスーパーやショップで購入できるものを集めてみました。
突然のBBQでお酒が揃えられないのは寂しいですからね。
渋谷 大輔(しぶや だいすけ)
2020年 アジア – フランスワイン ベストソムリエコンクール 準優勝
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe所属
<資格>
Certified Sommelier by Court of Master Sommelier
WSET Advanced Certified in Wine & Spirits
インターナショナルワインチャレンジ酒部門 准審査員
WSET Advanced Certified in Sake
<受賞歴>
2019年 シンガポール – フランスワイン ベストソムリエコンクール優勝/アジア大会シンガポール代表
2019年 シンガポール – アメリカワイン ベストソムリエコンクール優勝
アウトドアBBQの前に、インドア穴場カフェ?のご紹介。
冒頭にも書いたように、涼しいカフェに入り浸って仕事や勉強をするのが好きだったのですが、最近は席数の制限のためそれも難しくなってきています。
お店に入っても、“パソコンを広げるのは禁止”“ノートを広げるのも禁止”という注意を受けたところも幾つかあり、特に街中ではカフェ難民になったりします(何故かスマホはオーケー…)。
ですが、私が担当しているお店SUN with MOON Japanese Dining & Caféは180席もありますし、15:00~17:00の時間帯でしたら、パソコンを広げようが勉強をしようが自由に過ごして頂けます。
カウンターも10席あるので1人読書をしたり、テーブルでは大人数(現在は8名様まで)での打ち合わせにご利用いただくなど、様々な用途でご利用いただけます。
実際私もよく客席でコーヒー片手に仕事をしています。
それに加えて、純粋にカフェとして楽しんでいただける要素も多く取り入れておりますので、是非とも和デザートとモダンお茶体験にいらして下さい!
お酒を飲めない方も、飲めない時間帯でも、バーにいるような感覚で格好よくお茶を楽しんで頂きたい、そんな思いが詰まったSUN with MOON Japanese Dining & Caféのカフェタイムをご堪能ください!
カフェタイムは15:00~17:00です!
私のイチオシ、深蒸し茶のサイフォンは黄金がかった水色がとても綺麗で目で楽しめるお茶になっています。
Riedel社のマティーニグラスで飲むことにより、ふわっと漂うエレガントな香りが楽しめます。
煎茶エスプレッソはとても色濃く、あらゆる要素がギュッと凝縮しています。
アイスクリームにかけるのもアリです。
香駿(こうしゅん)という茶葉の品種はご存知ですか?
水出し茶でたまに見かける珍しい品種ですが、えぐみの出ないよう丁寧に抽出したものをNitro Koshun Teaとして、緑茶の自然の甘味を楽しんでいただけます。
デザートは焼き団子がオススメです。
お団子を自分で焼いて、焼き立て団子にお好きなソースを!
他にも、こちらの自分で好きな具材を詰められる“もなか”もおススメですよ!
先月も書きましたが、恐らく世界でただ一つのお茶の世界へ、是非いらしてください。
ではインドアからアウトドアのお話へ。
今月はBBQ予算の目安になればと思い、実際に購入した価格を掲載していますが、場合によってお値段が異なる場合があります。
購入場所も同時に掲載いたしますが、もしかすると地域によって取り扱い商品が異なる場合があります。
予めご了承くださいませ。
最初にBBQ用ワインを選ぶときの簡単なコツをまとめてみます。
まず大事なのは、コルクではないこと!
ワインオープナーの用意がなかったり、なかなか開けられなかったりすると、場がしらけてしまいます。
しかも酔ってると開けようとして落として割っちゃうなんて最悪なことも起こりがちです。
ですので、ここは潔くワインオープナーが不必要なワインを選びましょう。
次に重要なことは、炎天下でワインを飲む場合、全体的に軽めのワインで構成した方が飲み疲れしないということです。
外で楽しく飲むわけですから、ワイン自体に陽気な印象を秘めている地中海のものや、オーストラリアなどいわゆるニューワールドのものがいいですね。
あとは赤ワインを選ぶ場合、軽めをオススメします。
しかも、少し冷しめにするのが疲れないコツです。
赤ワインは常温でしょ?なんて言われ続けていますが、あながち正解ともいえず、ワインに合った温度を選ぶのが正しい答えです。
お肉には重た~い赤ワインもいいんですが、歩き回りながら飲むことになるBBQなどでは、極力身体を冷やしながら、アルコールも低めのワインがいいです。
重たすぎる赤ワインだとヒンヤリさせると飲みにくくなりますが、軽めの赤ワインを選ぶことで、冷やしめで楽しむことができます。
冷やしめと言っても白ワイン程キンキンではなく、口に入れた時に心地よいと感じられるヒンヤリ感が最適です。
温度で言えば14℃くらいなんですが、ワインセラーをお持ちの方はセラーの温度に近いかと思います。
では一体どんなものがいいのでしょうか?
BBQと言えば乾杯はビールから、という方がほとんどかと思いますが、スパークリングワインがあったらオシャレじゃないですか?
野外で泡を飲むときは、ガッチリしたシャンパンよりは、スッキリしたProseccoを推奨しています。
Prosecco (プロセッコ)
タイプ:発泡
色:白
価格:$38.40
購入場所:Isetan Scotts
こちらの生産者Allegrini (アッレグリーニ)は、2016年ガンベロ・ロッソ(イタリアワインのミシュランみたいなもの)にてワイナリー・オブ・ザ・イヤーという栄誉に輝いています。
そんなAllegriniが造る2018年ヴィンテージのプロセッコ。
とてもフルーティーかつアロマティックで、泡も繊細で1杯目に適しています。
ほのかに甘味も感じ、汗をかき始めのスタートでの水分補給にもってこいです!
白ワインは3本オススメしますが、1本目はこちら、Gavi (ガヴィ)という北イタリアのワイン。
Gavi (ガヴィ)
タイプ:非発泡
色:白
価格:$49.90
購入場所:Marks & Spencer
バローロなどで知られるピエモンテ州からのワインですが、リンゴやナシなどの果実やキリっとしたライムのような酸味を感じられる、暑い日にぴったりの1本です。
しかもこの2019年ヴィンテージは、ここ最近のDecanterというワイン雑誌で89点という好評価を得ているほど、コスパ抜群のオススメワインです。
購入場所は、私のお店と同じビルWheelock Placeの1階に入っているMarks & Spencerです。
SUN with MOONは3階になりますので、是非お食事後やカフェのついでに寄ってみて下さい。
白ワイン2本目はSauvignon Blanc (ソーヴィニョン・ブラン)という品種で、こちらはニュージーランドのもの。
Sauvignon Blanc (ソーヴィニョン・ブラン)
タイプ:非発泡
色:白
価格:$29.90
購入場所:FairPrice Finest
このブドウ品種は青々としたフレッシュな香りが特徴です。
レストランなどではサラダやハーブを使用する食事に合わせるのが定番ですが、空の下で食べるときには草原を感じられるこのワインがオススメです。
この生産者Mission Estate Wineryはニュージーランドで一番古いワイナリーとのことで、実力もしっかりと兼ね備えているため、これまで数々の受賞歴もあります。
この価格ならかなりお値打ちではないでしょうか。
そして白ワイン3本目は、なんだかんだ人気のChardonnay (シャルドネ)。
上記2本に比べてもう少しボディーのあるものをご紹介いたします。
樽も優しくきいていて、重たすぎない、むしろエレガントなスタイルでBBQでも楽しめます。
Chardonnay (シャルドネ)
タイプ:非発泡
色:白
価格:$28.00
購入場所:FairPrice Finest
Thompson Estate (トンプソン・エステイト)はオーストラリアの西側、Margaret River (マーガレット・リバー)にあるワイナリーですが、この価格に驚いてしまいました。
有名ワインライターJames Hallidayさんが高評価を与えているこのワイナリー、FairPriceも侮れません。
次は肉にも魚介にも合わせやすい万能タイプのワインとして、ロゼをオススメします。
こちらもよく冷やして楽しんでください。
Pinot Noir (ピノ・ノワール)
タイプ:非発泡
色:ロゼ
価格:$40.00
購入場所:1855
ロゼと言えば南フランスのプロヴァンスが有名ですが、このラ・ラ・ランドはオーストラリアの南側Victoria (ヴィクトリア)州からになります。
どこかで聞いたことのある名前のワインですが、ブドウはPinot Noir (ピノ・ノワール)を使用し、綺麗に夕日のような色を出しています。
BBQも後半に差し掛かり、日も落ちてくる頃でしょうか。
日本の夕日が恋しいですね…。
とってもフルーティーなスタイルのこのロゼですが、お好みでグラスに氷を入れてもOKですよ。
気軽に楽しみましょう!
赤は2本オススメしますが、1本目はPinot Noir (ピノ・ノワール)を。
ロゼでも紹介したブドウですが、サクランボなどとても可愛らしい香りが特徴で、特に女性からの支持率が高いですね。
Pinot Noir (ピノ・ノワール)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:$56.00
購入場所:Providore at OUE Downtown
ちょっと面白い産地なんですが、ドイツのAhr (アール)という地域で、実は赤ワイン生産で有名なんです。
ドイツと言えば白だよね?なんて思いがちですが、そういった驚きも含めて楽しむことが出来ます。
しかもなんとこのワイン、日系航空会社のビジネスクラスにも使用されているという、話題性も抜群な1本です!
上品に作られたドイツのピノ・ノワールは、軽く冷やしめでお楽しみください。
赤の2本目はCarmenère (カルムネール)になります。
かつてボルドーでよく育てられていたこのブドウはチリへ渡り、いつの間にか忘れられていきました。
チリでは実は長い間Merlot (メルロー)だと思われており、比較的最近になってDNA検査により、忘れ去られたカルムネール品種だと判明しました。
Carmenère (カルムネール)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:$38.00
購入場所:1855
確かにメルローに似ていると言えば似ていますが、メルローと比べると、ジューシーさに加えてスパイスの香りが出やすく、焼いたお肉に合わせやすかったり、タレに漬け込んだお肉にも合う憎い1本です。
チリのワインは重ため、という印象もありますが、このワインはタンニンも控えめのミディアムボディーなので、外ではやはり冷しめで楽しめます。
今月はBBQにオススメのワイン7本をお勧めしましたが、これで総額$280.20という大変お得なお買い物です。
8人で楽しんでも量も十分、かつお一人$35程度という満足度も高いセレクションです!
是非常夏のシンガポールを満喫してください!
(ただし炎天下での飲酒にはくれぐれもご注意ください!)
次回の講座のお知らせ
大人のたしなみ講座 『ワインの会』
〜もうすぐ行けるかも⁉︎ 解禁前にオーストラリアを予習〜
今回学べる内容はこちら⇩⇩⇩
1. 空港から30分で行けるワイン産地紹介
2. 多種多様なオーストラリアワインの数々
3. 話題のナチュラルワインとは?
4. オーストラリアワインの歴史と法
5. グラスで味が変わる?グラスの違いを学ぶ
6. 割らないようにグラスを洗うには
5月12日(水)
夜の部 19:00~20:30 (90分)
5月17日(月)
夜の部 19:00~20:30 (90分)
5月19日(水)
夜の部 19:00~20:30 (90分)
5月講座特典:
5月は講座開講半年記念として、渋谷講師おすすめのボルドー型ワイングラス($40相当のRiedel社製)1脚をプレゼントいたします。実際にテイスティングで使用し、お持ち帰り頂きます。
この回のみ値段に変更がございます。
参加費:1人$80 2人以上で申し込むと1人$75
各回先着12名
⇩過去回に参加できなかった方向けクラス⇩
過去回リバイバルクラス
”~太陽と情熱のスペインワイン~”
5月10日(月)
夜の部 19:00~20:30 (90分)
先着12名
※多少延長する可能性がございます。
✨今回学べる内容はこちら⇩⇩⇩
1. ボルドーが育てたスペインワイン銘醸地
2. リアス海岸の桃が香るワイン
3. スペインのスパークリングワイン カバ
4. 地方で名前が変わる、不思議なブドウ
5. 酒精強化ワイン シェリーとベネンシアドール
6. 意外と知らない、スペインから来た和食
参加費:1人$80 二人以上で申し込むと1人$70
場所:b. studio (チャイナタウン駅から徒歩3分)
Blk 34 Upper Cross St, #04-150, Singapore 050034
お問い合わせ&お申し込みは
📨メール teppei@byst.sg
WhatsApp +65-8138-4613
過去記事はこちらから
Vol.1 ~ワインとお正月ペアリングのコツ~
Vol.2 ~北海道地図から見るワイン~
Vol.3 〜ワインに咲く色とりどりの花〜
Vol.4 〜お茶とワインを記憶づける〜 テイスティングテクニック〜
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe
Address: 501 Orchard Rd, #03 – 15, Singapore 238880
Tel: 6733 6636
https://www.sunwithmoon.com.sg/