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クラフトビール解体新書

【クラフトビール解体新書 vol.6】
シンガポールでビール世界旅行。「直営店系」のクラフトビールバーで飲もう!

シンガポールビールマスターHiroseが教える
【クラフトビール解体新書 vol.6】
シンガポールでビール世界旅行。「直営店系」のクラフトビールバーで飲もう!

皆様、こんにちは。

今月も夏真っ盛りのシンガポール。楽しくビールライフをエンジョイしていますか?

世界中のクラフトビールが毎週毎月増え続けているシンガポール。レッドマートなんかでも最近凄いですよね!

そんな折、ビールを輸入販売するだけではなく、ブリュワリーやインポーターが直接経営し、自社のビールを独占的に販売する「直営店」的なお店も増えています。

そういったお店はやはり、その店にしかない自社のビールと、それぞれのお国柄を押し出した個性が売り。

続々と増え続けるクラフトビールバーの中で、こういった差別化があるのは大きな強みであるだけではなく、ちょっとしたバーチャル旅行気分も味わえて、他にはないちょっとしたお得感もありますので、いつものお店とは少し違う気分を味わいたいときに重宝します。

では、今回も紹介していきましょう!

<広瀬礼仁>
シンガポールのクラフトビール専門店「SG TAPS」店長兼ウエイター。
当地シンガポールにて、クラフトビール業界に5年程関わったのち、2018年4月に独立。ビールを始め、日本酒、ワイン、ウイスキーなど、アルコール文化に対する愛は誰よりも広く深いと自負している。

[Heart of Darkness] 

55 Tras St S078994

まずは先月トラスストリートにオープンしたばかりのこちら「ハート・オブ・ダークネス」です。

ベトナム・ホーチミンのこのブリュワリーですが、本国ではすでに数年前から有名ブリュワリーとなっていて、1年ほど前からシンガポールや日本にも輸出が始まっていました。

たくさんのレギュラービールと限定ビールを有していて、どれもこれもひとひねり効いた個性的なビールばかり。

ホーチミン市をアジアのクラフトビール聖地にのし上げたブリュワリーの一つですので、すでにシンガポールにおいての知名度は十分。シンガポール出店がアナウンスされた時から、多くのビール好きたちがオープンを待ちわびていました。

そして先月、満を持してのオープンを飾ったハート・オブ・ダークネスですが、自社ビールとローカルビールを合わせて、シンガポール最大となる30タップを揃えています。

胡瓜や唐辛子を使用したピルスナー、ベトナムコーヒーのスタウト、パッションフルーツやココナッツで仕上げたエールなど、ベトナムの素材を織り交ぜたユニークなものが多く、ラインナップを見てもとてもエキゾチックで目を奪われます。

他と比べてピルスナータイプが多いのも、本国ベトナムやシンガポールの様な亜熱帯都市にふさわしいクラフトビールを探求し続けた結果なのかもしれません。

1パイントは大体16ドル~24ドル程。

そして、堂々としたビールカウンターの横のオープンキッチンからは、美味しそうなグリルフードやベトナム料理が提供されています。ベトナム素材を使ったビールとベトナム料理は当然相性が良く、ビールが2杯、3杯と進んでしまいます。

店内はおしゃれながら程よくラフな感じ。今をときめくおしゃれエリアのトラスストリートにありますので、クラフトビールが初めての方や女性のグループでも入りやすい雰囲気です。

ベトナムのクラフトビールと聞いて意外に感じてしまう方、ベトナムは今やアジア有数のクラフトビール生産地です。このハート・オブ・ダークネスでその実力を味わってみましょう。

  • 価価格:若干高い
  • タップ数:30
  • 雰囲気:お洒落で活気がある
  • アクセス:良い(タンジョンパガー駅近く)
  • 入りやすさ:入りやすい
  • お国柄度:ビールにも料理にもベトナムを感じる

[The Guild]

55 Keong Saik Rd., #01-01 S089158

お次は香港のヤングマスター・ブリュワリーの直営店「ザ・ギルド」です。

こちらはハート・オブ・ダークネスの派手な盛り上がりとは打って変わって、しっとり落ち着いた渋めのお店です。

ヤングマスターはアジアでもトップクラス、何年も前から世界的にも名を馳せているブリュワリーで、世界中の名だたるブリュワリーとのコラボを実現しており、香港の特徴を反映させたビールを、思いもよらぬスタイルで次から次へと無尽蔵に世に送り出す、驚異の超実力派ブリュワリーです。

このお店の最大の特徴は、クラフトビールだけではなくナチュラルワインやオリジナルカクテルまでも揃える、総合的なバーであるという事です。

特にカクテルは、単なるビールの添え物ではなく、きちんとしたバーテンダーが作る本物のこだわりカクテル。リキュールなどもオリジナルで用意されています。

もちろん一番の売りはヤングマスターのクラフトビールです。常時10~12種類くらいのヤングマスターのドラフトと、他の香港ビールやアメリカのビールなどを合わせて20タップを提供しています。

クラシカルな味と最新のテイスト、双方を極めた珠玉のラインナップがずらっと並びます。

1パイントは16~24ドル位です。

料理にも相当のこだわりを見せ、シンガポール・ウビン島産の牡蠣、椎茸と豚肉の“ウマミ”ソーセージなどの定番や、フレンチフライの“豚の脳みそ”ディップといったびっくりメニューも、高次元な味のバランスでまとめています。どのメニューもユニークで盛り付けも美しいアジアンフュージョン。おつまみからメインディッシュ、米・麺類、デザートまで、ほぼレストランレベルのバラエティーです。

内装もしっかり作りこまれており、中央にドーンと据えられた円柱型のビールサーバーにぐるっとタップが設置されており、見た目の美しさに驚かされる一方で、この特注品に一体いくらかかっているんだろうと、同業者としては余計な恐ろしさを感じてしまいます。メニューも金属のボードに貼られており、片手で持つのが苦痛なほどの重量感(笑)。とにかくイメージへのこだわりをひしひしと感じます。

クラフトビールという枠を大きく超えたザ・ギルドは、接待やデートでも活躍する、ワンランク上のバーです。

  • 価格:まあまあ高い
  • タップ数:20
  • 雰囲気:ワンランク上のクラフトビールバー
  • アクセス:良い(アウトラムパーク駅近く)
  • 入りやすさ:少し敷居が高そう
  • お国柄度:かなりアジアン

[Food Barn]

1 Fusionopolis Pl S138522

こちらはガラッと変わって日本のクラフトビール。

全埼玉県民の方には特に訪れていただきたい、川越のコエドビールが生ビールで飲めるお店です。

コエドビールは、日本の地ビールブームの初期から作り続けている歴史の長いブリュワリーで、ドイツやイギリスのクラシックなスタイルをベースにしながらも、敢えてビールの種類を冠せず、伽羅、漆黒、瑠璃など、日本独自の色彩のイメージをビール名にしているのがユニークなところです。

コエドの直営店ではなくシンガポールの輸入元が経営しているお店で、コエドのドラフトを日替わりで3種類提供しています。

メインはカフェ・ダイニングで、入り口を入ると一見コエドビールらしきものは見当たりませんが、キャッシャーの奥にずずっと進むと小さなバーカウンターがあり、こちらにコエドのビアサーバーが見えてきます。持ち手が踊り子さんの形になった、コエドオリジナルの可愛らしいサーバーです。

少し小さめのグラスですが、14ドルで1For1というプロモーションを毎日全日行っておりお得。海外では貴重なコエドのドラフトを、輸入元直送のフレッシュな状態で味わえます。

このフード・バーンを経営するコエドの輸入元は、小麦粉や乳製品、パスタなど洋食系の食材業者さんなので、こちらのカフェはお食事も本格的。他のクラフトビールバーとは一線を画しています。

フュージョナポリスというオフィスビルの下にあるので、営業がお昼主体というところも特徴です。お昼飲みができるのはとても嬉しいですが、閉店は一般的なバーに比べるとかなり早めなのでご注意を。

  • 価格:普通
  • タップ数:3
  • 雰囲気:おしゃれカフェ
  • アクセス:良い(ワン・ノース駅直上)
  • 入りやすさ:入りやすいがバーカウンターは見つけづらい
  • お国柄度:特に日本ぽくはない

[Jibiru]

313 Orchard Road 313@Somerset, #01 – 26 S238895

こちらも同じく日本のビール「常陸野ネスト」の輸入元が経営する直営店「地ビール」です。

シンガポールのクラフトビールバーの草分けともいえるお店で、クラフトビールバーがまだ珍しかった頃から営業されています。

欧米系のクラフトビールでさえもレアだった当時、もちろん日本のクラフトビールはシンガポールにはほぼ皆無で、このお店が出来た時のインパクトは大変なものでした。

プレミアムモルツでさえ希少なその当時に、常陸野ネストを始め、よなよなエール、金シャチビール、志賀高原ビール、箕面ビールなど、日本でも入手困難な“地ビール”たちをドラフト6種、ボトル30種類以上も揃えていたのです。初めて見た時には目を疑いました。

それから数年、あれよあれよというまにすっかり人気店になり、地の利も功を奏して連日大賑わいの様子が見受けられます。

現在はドラフト10種(うち日本のビールは常時6~7種)、ボトルは50種類ほどにも上ります。

常陸野ネストビールは日本だけでなくアメリカなどでも大人気ですので、日本でも品薄なのですが、それがシンガポールで、しかも生ビールで常時数種類飲めるという僥倖。数年前までは考えられなかったことです。

1パイントは15~17ドルくらいですが、ハッピーアワーが8時までと長く、しかも平日午後3時まではランチパイント10ドルという嬉しい価格ですので、時間によってはかなりリーズナブルに飲めます。

定番の常陸野ネストホワイトエールは、アメリカのクラフトビールの本でもベルギースタイルのお手本として紹介されたほどの本格ウィートビール。しかも輸入元ですので新鮮さは折り紙付きです。

それに合わせるお料理は、日本の焼き鳥屋さんから指導を受けたという本格焼き鳥。大ぶりの焼き鳥はジューシーで満足感抜群。カレーライスもオリジナルレシピでとてもおいしいので見逃せません。

“クラフトビールと和食”という組み合わせは、現在でもシンガポールで唯一無二の存在です。居酒屋には行きたいけどクラフトビールがないので困る、という方にはたまらないお店ではないでしょうか?

313サマセットからオーチャードに抜ける通路沿いにあり、ドアも壁もない開放的なオープンエアのお店なので、ベビーカーを押してのお買い物の途中にもフラッと入りやすく、お昼からずーっと開いているため、いつもお店は賑わっています。ランチパイントもありますし、ぜひお昼飲みに活用指定ですね。

今回紹介したお店の中でも随一の好立地と入りやすさですし、日本人の対応にも優れていますので、オーチャードのお買い物の休憩などに、ぜひお試しください。

  • 価格:普通
  • タップ数:10
  • 雰囲気:オープンなテラス席で開放感抜群
  • アクセス:とても良い(サマセット駅直上)
  • 入りやすさ:とても入りやすい
  • お国柄度:日本の地ビールと焼き鳥という、ザ・日本

[Little Creatures Brewing]

36 Club St S069469

オーストラリアはパース付近にある、世界的に有名なクラフトビールブリュワリーのシンガポール支店です。昨年オープンしたばかりのまだ新しいお店です。

このリトル・クリーチャーズは、シンガポールのクラフトビールの黎明期からボトル輸入されていて、10年以上も前からコンビニやスーパーなどでも売られていますので、当地での知名度は既に十分といったところ。さらにここ数年で一気に世界的なレベルに上がったこともあり、オープンに当たっては注目が集まっていました。

クラブストリートから一歩裏道に入ったところに入り口があり、中に入るとドーンとビールの醸造タンクが並んでおり、いきなりテンションが上がります。

世界で認められた味が、本国のレシピのままシンガポールで醸造されその場で飲めるので、クオリティーは間違いなし。特に、イギリスとアメリカのいいとこどりのようなペールエールは、麦のコクとホップの香りを持ちつつキレよくさっぱり飲める逸品。その他にも定番と限定ビール合わせて8タップが楽しめます。どのビールもバランスが良く、伝統の技術をきちんと守りながらモダンな味付けがされているので、クラフトビールに慣れない方からビールマニアまで、幅広い層に支持されています。

1パイントは大体12~16ドル位です。

広い店内は客席も相当数あり、ガーデン席、立ち飲み席、ソファー席、パーティー用大人数席など、多目的に使えそうです。お洒落な店内は、他のクラフトビールバーに比べ明るく広々とした間取りで、どこか大陸的。トイレなども使いやすくきれいに作られています。

お料理もカラマリやピザなど、定番のバーフードを揃えていて、特に大きくて迫力あるピザは、しっとりとした生地が美味しく人気です。

まさにオーストラリア、といった雰囲気が楽しめるお店です。

店内を見渡すとビールではなくワインやカクテルを飲んでいるお客さんも多く、色々な楽しみ方ができるお店だとわかります。ビールが苦手とか、お酒が飲めない方も一緒に楽しめるお店だと思いますので、ママ会などに使われてみてはいかがでしょう?

  • 価格:普通
  • タップ数:8
  • 雰囲気:ドーンとビールのタンクが見えるおしゃれな店内
  • アクセス:まあまあ(テロックアヤ駅から徒歩3分ほど)
  • 入りやすさ:入りやすい
  • お国柄度:どこかオーストラリアの海辺を感じさせる

[Mikkeler Bar]

7 Purvis St S188586

最後は前回も紹介しました、ミッケラーというコペンハーゲンのクラフトビールの直営店です。

ミッケラー自社ビールをはじめ、他の北欧系、ヨーロッパ系のビールを揃えています。

ミッケラーというブリュワリーはとても個性的で、緻密に作りこまれたレシピを自慢とするものの、特定の醸造所を所有しておらず、ファントム(幽霊)ブリュワリーと呼ばれています。

完成されたレシピを武器に、世界中の様々な醸造所に委託して、その土地・気候・季節に合わせたビールを最新・最速でそのエリアに送り出すという、インターネット世代の新機軸ともいえるスタイルを駆使し、年間数百種類ともいえるバラエティーのビールを世に送り出すことで、2000年代に一気に世界に名をとどろかせた、現代クラフトビールの申し子です。

さらに面白いのは、最先端ともいえる手法でビールをリリースしているのにも関わらず、ビール造りとしてはむしろ、各国の古典的なビール製法を掘り起こし、現代的な手法を加えて練り直し、世界に向けて発信していることです。

ランビックやブレットなどのベルギーの野生酵母スタイル、旧東ドイツのサワーエール「ゴーゼ」、ドイツ伝統のベルリナー・ヴァイセ、ロシアのインペリアルスタウトなど、それまであまりクラフトビールの世界に用いられなかった、「オールドスクール」なスタイルを積極的に起用して、温故知新をビール造りで見事に体現しています。

そんな雑多で煩雑な彼らのスタイルをまとめるのが、いかにも北欧!というキュートなイラストの入ったカラフルなボトルデザイン。店の内装デザインにもひと役買っており、ブランドとしての統一感と存在感を確固としています。

その個性的なミッケラーのビールを味わえる直営店が、このシンガポールでも楽しめます。

狭いながらも個性のぎゅっと詰まった店内では、ミッケラーの魅力を存分に味わえます。場所もブギスやラッフルズホテルからほど近く、仕事やショッピングの後に訪ねやすいと思います。

1グラス14~24ドル位なのですが、グラスが他に比べて少し小さいのが難点。

  • 価格:高い
  • タップ数:25
  • 雰囲気:静かに楽しめる
  • アクセス:良い(ブギス、ラッフルズホテル近く)
  • 入りやすさ:2階にあるので少しわかりづらい
  • お国柄度:特にない

いかがでしたでしょうか?

近頃は日本でも世界でもクラフトビールが激増し、それぞれの地域性を上手に取り入れたビールもかなり増えてきました。

アジアの中でも、ホーチミン市や香港まで「クラフトビールを飲みに旅行に行く」なんて方も増えているみたいですし、日本国内においても国内旅行の楽しみの一つに“その土地のビールを飲む”という選択肢も加わっているようで、日本の地ビール界も益々の盛り上がりを見せています。

旅行アクセスの良いシンガポールなら、週末ちょっと足を延ばしてアジア諸国のビール旅行もエンジョイできますが、タクシーで10分も行けばそれらの国々のビールをはしごして、小さな「ビール世界旅行」が出来ちゃう密度もまた、シンガポールの大きな魅力。

小さな国でもまだまだ天井知らずのポテンシャルを擁したシンガポール、今回はちょっと「アジアのハブ国家」らしい側面から(?)クラフトビールに切り込んでみました。

SG TAPS
島内唯一シンガポールのクラフトビールが10種類、生で飲めるシンガポールビール専門店。 ボトルビールでは更に、日本、香港、ベトナム、台湾、インドなどのクラフトビールを揃え、アジアのクラフトビール文化を底上げしていきたいと考えている。 ラクサピザ、奄美鶏飯風チキンライスなど、ローカル、和洋食を絶妙に組み合わせたユニークなフードも人気。
https://www.facebook.com/SGTAPS13/

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