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シンガポールビールマスターHiroseが教える【クラフトビール解体新書 vol.3】

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シンガポールビールマスターHiroseが教える
【クラフトビール解体新書 vol.3】
クラフトビールボトルショップでゆる飲み編

毎度お読みくださり、ありがとうございます!
今回のクラフトビールコラムは、最近増えています、クラフトビールのボトルショップについてです。

<広瀬礼仁>
シンガポールのクラフトビール専門店「SG TAPS」店長兼ウエイター。
当地シンガポールにて、クラフトビール業界に5年程関わったのち、2018年4月に独立。ビールを始め、日本酒、ワイン、ウイスキーなど、アルコール文化に対する愛は誰よりも広く深いと自負している。

ビールと言えば生に限る!という方も多いでしょうが、最近はボトルビールの管理のクオリティーが上がり、管理によっては生ビールを飲むよりもおいしい場合も珍しくありません。 また、缶で出荷するクラフトビールも増えており、こちらも誤解されやすいのですが、缶そのもののクオリティーが一昔前とは別物なので、缶のにおいがビールに移るなどという事は全くなく、むしろ密閉度や日光からの遮蔽性は今や缶の方が上なので、クラフトビールはどんどん缶にシフトしています。 そんなわけで、シンガポールでは現在、若いオーナーたちがこぞってクラフトビールのボトルショップをオープンしております。 あまり条件の良くない店舗を安く借りて、その分商品の価格を安くし、またそれぞれ工夫をして居心地のいい空間を作っています。キッチンがないため、食べ物は持ち込み可というところもあります。 結果、他のクラフトビールパブにはない独特のゆるーい感じが生まれ、かるーく一杯行くのにはちょうどいいのです。また安価に世界中のクラフトビールを飲めるため、多様なクラフトビールを知る上でも、とても使い勝手が良いです。 では、紹介していきましょう。

その⓵ [Colbar]

こちらは、ポーツダウンロードという、昔からのコロニアル様式のアパートが立ち並ぶエリアの近くにある、とても古いお店。 なんと1950年代から営業しているそうです。 ColbarとはColonial Barの略だそうで、つまり英国領時代からあるお店なのです。とんでもない歴史のお店ですね。 周りは木々に囲まれたアップダウンのある土地で、その合間に、見とれてしまうような昔ながらのコロニアル建築がぽつぽつと建っていて、その風景の中にいると、一瞬シンガポールであることを忘れてしまいそうになります。 その一角にこの古いバーはあります。

バーと言ってもカクテルやワインがあるわけではありません。生ビールもありませんが、その冷蔵庫には、古き良き英国の伝統あるエールビー6ルのボトルが並びます。派手な味の今のクラフトビールとは違う、麦の優しい味のする昔ながらのイングリッシュエールです。英国伝統なのでほとんどが500mlの大瓶で、小瓶はありません。ボトルは大瓶11~12ドルNETTですので、非常にリーズナブルです。また、イギリスではよく飲まれているサイダー(アルコール入りのもの)も多数揃えています。屋外ですので、暑い時にはサイダーはさっぱりしてよいと思います。

お料理も多数。 フィッシュアンドチップスやオムレツ、サンドイッチなど、英国のパブを思わせるものや、チャーハンやフライドビーフンのようなローカルフードまで、幅広く提供しています。リーズナブルでボリュームもあり、とてもおいしいです。 掘っ立て小屋にしか見えない愛嬌ある外観、1950年代から時が止まったようなレトロな装飾品、木々に囲まれ風が吹き抜ける気持ちの良い屋外席。一度行ったら忘れられない、魅力のあるお店ですので、特に週末は年配の欧米人を中心にとても賑わっています。お子様連れや犬の散歩中の方も多いようです。 実は、この地域は現在政府による再開発が進められており、周りの建物は撤去を余儀なくされています。 この伝統あるお店がなくなってしまうとは思いたくありませんが、現実的にはあと数年以内に移転せざるを得なくなってしまうかも知れません。 ですので、この歴史ある素晴らしい店にぜひ行って、シンガポールの英領時代の雰囲気に身をひたしてほしいと思い、冒頭に紹介いたしました。 このお店は数あるビールバーの中でも自分の宝物的な存在ですので、できるだけ多くの人に知ってもらい、行ってもらいたいと思います。

  • 価格:安い
  • ビールの種類:イギリス系エールとサイダーで30種類ほど
  • 雰囲気:ゆったりしてい最高
  • トイレ:昔のシンガポール家屋風
  • アクセス:悪い(191番バスが便利)
  • 一口ポイント:英国統治時代からの店

住所: 9A Whitchurch Rd, S138839


その② [Bunker Bunker]

こちらはうって変わって、最新のクラフトビールボトルショップです。 ドビーゴートからシムリムに抜けるプリンセップ・ストリートのDECKという、貨物コンテナを積み重ねたようなユニークな建物の中にあります。 若者たちが小さなショップやオフィスを展開するビルですので、このBunker Bunkerもやはり若いオーナーによって経営されているようで、随所に若い柔軟なアイデアが見られます。

どこかから中古品を集めて適当にその辺に置いて(失礼)、テントのような屋根をくっつけた学際ノリの屋外席。室内席に至っては、家にあるソファーのような感じなので、お客として座っていいのかどうかすらわかりません。しかしこのゆるさが逆に気軽にビールを楽しませる要因となっています。晴れた時などは、外席は非常に心地良いですよ。

ボトルは50種類ほどで、10~18ドルくらいです。生ビールも数種あり、バーガーや焼き鳥などちょっとしたフードも提供しているようですが、キッチンを早く閉めてしまうことが多いようなので、事前にチェックした方がよさそうです。 道からフイっと入れる気軽さが魅力です。 お近くを通りかかったらぜひ!

  • 価格:まあまあ
  • ビールの種類:オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど50種類ほど
  • 雰囲気:あまりにもラフな作りが逆に良い
  • トイレ:普通
  • アクセス:駅からやや歩く
  • 一口ポイント:今風のボトルショップ

住所:  120A Prinsep Street DECK S187937


その③ [Nectars & Vine]

セラングーン駅近くにずいぶん前からある、ゆるーい感じのボトルショップです。 普段はなかなか行くエリアではないかもしれませんが、まったりとリーズナブルに飲みたいときには、少し時間をかけてでも行く価値のあるお店です。 生ビールはなくボトルオンリーですが、クラフトビールだけでなく普通の大手ビールやワインなどもあるのが特徴です。日本のクラフトビールもあります。ボトルも1本6ドルくらいからあり、数あるボトルショップの中でも格安です。

ボトルの種類はかなり多く、80種類くらいはありそうです。ワインも30ドル台からありますので、ビールと共に楽しめます。ボトルを自分で冷蔵庫から取って、キャッシャーで会計し、グラスが欲しい人はグラスも自分で取るという、ゆるいシステム。このシステムが功を奏し、いつも結構混んでいるのに店員さんたった一人でも暇そうです(笑)。

チップスなどの乾き物は売っていますが、基本的に食事は持ち込み可。ただし、食器などはないようですので、その辺も用意する必要があります。 店内はただテーブルと椅子で埋め尽くされたシンプルなもの。色んな形のテーブルが雑然と並んでおり、肩ひじ張らない雰囲気の中で気軽にまったりと飲めます。他のボトルショップに比べ席数がかなり多いので、大人数の飲み会でも対応できます
人気店ですので大人数の場合予約は必須ですが。

  • 価格:格安
  • ビールの種類:イギリス、アメリカ、ベルギー、日本など80種類ほど
  • 雰囲気:気軽に楽しめる雰囲気
  • トイレ:普通
  • アクセス:駅からやや歩く
  • 一口ポイント:大人数にも対応できるリーズナブルな店。

住所: 752 Upper Serangoon Rd, Singapore 534623


その④ [Temple Cellars]

日本人にはおなじみ、リバーバレーロード沿いのUEスクエアの中に2年ほど前に出来た、小さいながらに密度の濃い、お洒落目のボトルショップです。座席数は10席程度と、とても小さなお店なのですが、80種類ほどのクラフトビールを始め、4種類の生ビール、日本酒、クラフトワイン、クラフトジンやウイスキーまで、とてもバラエティー豊富な飲み物の品ぞろえです。

このお店は、テロックアヤ通り近くにある「Freehouse」というクラフトビールバーの系列店で、自社でニュージーランドビールやワインを輸入しているため、ボトル、缶は10ドル前後がメインと、とても安価になっています。 ビールの種類は、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、香港、日本、ベトナムなどとても幅広く、ライトユーザー向けの飲みやすいものから、個性的な味を持つマニア向けのものまで、その商品力には目を見張るものがあります。 キッチンがないためフードは出していませんが、持ち込み自由となっております。2階にはコールドストレージ、向かいにはベトナム料理とセブンイレブン、隣には小さなお肉屋さんと、すぐに食べ物を揃えられるのが魅力です。ただし、こちらもお皿などは自分で用意しないといけません。 店員さんも親切なので、クラフトビールに詳しくない方でも、いきなり入ってちょっと一杯なんてことが出来ますので、他のお店に行くのが気後れしてしまう方にもおすすめです。 明治屋さんなどのお買い物のついでにでもぜひ!

  • 価格:リーズナブル
  • ビールの種類:ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、香港、日本など80種類ほど
  • 雰囲気:狭いが落ち着く雰囲気
  • トイレ:きれい
  • アクセス:フォートカニング駅すぐ横
  • 一口ポイント:リーズナブルながら洒落ていて落ち着く

住所: #01-12, 81 Clemenceau Avenue S239917


その⑤ [Alibabar]

クラフトビールブームが始まる前からイーストコーストにある、ホーカー飲みクラフトビールのパイオニア的な存在のお店です。ドイツビールのドラフト数種類のバーカウンターを中心に、バーガー、タイ料理など4軒のお店が隣接する小さなホーカーです。イーストコーストとジューチャットという大きな通りの交差点にあるので、非常に目立つ立地ですので、目にしたことがある方も多いかも知れません。

パブが多い割にはクラフトビールの専門店が少ないイースト方面では、貴重な存在です。 ボトルの種類も非常に多く、サイダーを含めると100種類近くになります。価格は昔に比べ上がってしまいましたが、それでもまだまだリーズナブルです。

最新のクラフトビールよりは、昔ながらのイギリス、ドイツ、ベルギーのビールが多い印象で、ホーカーながらもどこか古き良きパブを感じられるデザインで、場所柄欧米人のお客さんでいつも賑わっています。 MRTの最寄り駅はありませんが、好立地なためバスでのアクセスは非常に便利です。イースト方面にお住まいの方にはぜひ行ってほしいお店です。

  • 価格:リーズナブル
  • ビールの種類:イギリス、ドイツ、ベルギーなどクラシックタイプを中心に100種類ほど
  • 雰囲気:昔ながらのパブを彷彿とさせる
  • トイレ:ホーカーレベル
  • アクセス:バスでのアクセスは良い
  • 一口ポイント:ホーカーボトルショップのパイオニア

住所:125 E Coast Rd S428810


その⑥ [Canjob Taproom]

ベーカリーやカフェ巡り、またはシーフードレストランなど、別目的でティオンバルエリアを訪れる日本人の方は多いと思います。きっとこの店の前を通り過ぎた方もいるのではないかと思いますが、なかなかここは気づかないかも知れません。ティオンバルのリンクホテルの下、てる寿司さんの横にある本当に小さなお店です。 1年ほど前にオープンした新しいお店です。狭い店内はせいぜい10人程度しか入れません。

生ビールを8種類。ボトルと缶ビールを40種類ほど揃えています。それ以外にもウイスキーやちょっとしたカクテルなどもあるようです。この狭い店内とバーカウンターなのに、ある程度のバーフードも提供しています。ゆるそうに見えて、なかなかやる気が垣間見えるお店です。

ビールは、イギリス、アメリカ、オーストラリア、シンガポールなどの新しめのブリュワリーのものが中心で、$10~16程度。それ以外にもマッコリや韓国焼酎などの揃えもあるようです。ローカルの若い客層がターゲットなのだと思います。店の裏口にも外席を構えていて、ある程度の人数でも対応してもらえるようです。 静かで品のある住宅の中に、お洒落な雑貨屋やベーカリー、カフェ、レストランバーなどがぽつぽつと散在するティオンバルエリア、ローカルマーケットでの買い物も楽しめ、ローカルフードの有名店なども多く、シンガポールの飲食文化を楽しむには持って来いの場所ですね。ショッピングやカフェ巡りの後に、こちらのCanjobで軽く一杯、シンガポールのクラフトビールを楽しんでみるのはいかがでしょうか?

  • 価格:まあまあ
  • ビールの種類:イギリス、アメリカ、オーストラリア、シンガポールなど40種類ほど
  • 雰囲気:とても狭く、ガレージ的な感じの店内
  • トイレ:なし(ホテルのトイレを使用可)
  • アクセス:駅からは少し歩く
  • 一口ポイント:近所の人に愛されている

住所:50 Tiong Bahru Rd #01-03 S168733 LINK HOTEL


その⑦ [The Great Beer Experiment]

ブキティマエリアのパサ・ベラに結構古くからあったボトルショップが、オーチャード・ウィーロックプレイスに移転してきました。 通路がそのままお店になっているような意外な立地で、その分入りやすさは抜群。 このお店は、知る人ぞ知るクラフトビールマニアの聖地「Druggists」の系列店で、小さなお店ながらさすがのマニアックな品ぞろえ。

生ビールが2種類、ボトルはアメリカ、イギリス、ベルギーはもとより、デンマークやオランダのクラフトビールも含め60種類ほど揃えており、通をもうならすラインナップです。 しかも、自社輸入品が多いため、価格ははっきり言って島内最安値レベル。 ベルギーの修道院ビールが税込み10ドルで飲めるお店など、ここ以外にはまずないでしょう。 キッチンはありませんが、近くのレストランからのデリバリーもできるようですが、持ち込みは要相談とのことです。

クラフトビールになれていない方には、少々難しいビールが並んでいますが、オーチャード中心部という最高の立地に加え、このバラエティーと価格。個人的には今いちおしのボトルショップです。 伊勢丹さんの買い物帰りにでも、とりあえず一杯行ってみて下さい!

  • 価格:格安
  • ビールの種類:マニア向け。アメリカ、イギリス、ベルギー、デンマーク、オランダなど60種類ほど
  • 雰囲気:ほぼ通路の一部なので、とても開放的
  • トイレ:きれい
  • アクセス:オーチャード駅直結
  • 一口ポイント:クラフトビール専門店としては最安値

住所:501 Orchard Rd, #02-01A Wheelock Place S238880


おまけ [Thirsty Craft Beer Shop]

クラフトビールボトルショップの代表格と言えばやはりここ。 しかし店舗数が多く、知ってる方も多いと思い、おまけ紹介といたしました。 日本人のメッカ、リャンコート内にもあり、先日残念なことに閉店してしまいましたが、他にもIkea向かいのアンカーポイントや、ホーランドショッピングセンターなど、日本人に馴染み深いエリアにあります。 アメリカ、オーストラリアなどのクラフトビールが6缶パックで買い求められ、その場で飲むこともできる(ほぼ立ち飲みに近いですが)、ちょっと一杯ゆる飲みにはもってこいのお店です。 いかがでしょうか? 前々回はホーカークラフトビールを紹介しましたが、今回はそのちょっと進化系といったところ。 クラフトビールをまずは気楽に飲んで欲しいと思い、ゆるーく楽しめるお店をいくつか紹介させていただきました。どのお店も、本当に雰囲気が良く、気まぐれに一杯だけでも楽しめます。 飲みたくなったらふらっと一杯。まずはお試しください! まだまだ紹介しきれないネタがたくさん。 次回は「ブームの遥か昔から存在する、シンガポールクラフトビール界のレジェンド的なお店」を紹介してまいります。

SG TAPS
島内唯一シンガポールのクラフトビールが10種類、生で飲めるシンガポールビール専門店。 ボトルビールでは更に、日本、香港、ベトナム、台湾、インドなどのクラフトビールを揃え、アジアのクラフトビール文化を底上げしていきたいと考えている。 ラクサピザ、奄美鶏飯風チキンライスなど、ローカル、和洋食を絶妙に組み合わせたユニークなフードも人気。
https://www.facebook.com/SGTAPS13/

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