初めまして! 15年前までワインが飲めなかったのに、今ではワイン講座を担当させていただいてます、ソムリエの渋谷です。
こちらのコラムでは、毎日の生活でワインを楽しみたくなるネタから、お友達に披露したくなるようなプロしか知らないテクなどを、ゆるく紹介していきたいと思います。
渋谷 大輔(しぶや だいすけ)
2020年 アジア – フランスワイン ベストソムリエコンクール ファイナリスト
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe所属
<資格>
Certified Sommelier by Court of Master Sommelier
WSET Advanced Certified in Wine & Spirits
インターナショナルワインチャレンジ酒部門 准審査員
WSET Advanced Certified in Sake
<受賞歴>
2019年 シンガポール – フランスワイン ベストソムリエコンクール優勝/アジア大会シンガポール代表
2019年 シンガポール – アメリカワイン ベストソムリエコンクール優勝
月々のしっかりワイン講座(?)とは違い、ラフな視点で余計な情報も交えながら紹介するので、講座に参加された方にも、新しい感覚でさらにワインを好きになってもらえればいいなと思います。
まずはそんな講座のご紹介です。既にお申込みいただいた方、ありがとうございます。
12月・1月の講座はフランスの2大産地ブルゴーニュとボルドーが簡単に楽しめるクラスになっており、ワインの基礎知識からお店で使える知識まで幅広く学べます。
私はお堅いクラスは苦手なので、アルコールに助けられながら…ではなく毎回5~6種程のワインを一緒に試飲しながら、プロのワインテイスティングを簡単にマネできるコツもお教えいたします。もしかするとお店の人より詳しくなれるかもしれません…。
1月のスロットは14日(木) & 21日(木) 昼の部13:00~14:30 / 夜の部18:30~20:00 各回10席となっています。
ご希望の方はWhatsAppにて+65-8138-4613(Nitobe)までお申し込みください。
また2月以降のテーマは皆さんのご希望も交えて決めてみようかなと思っています。
ワインを通じて世界を旅しましょう!
今回は年末年始にフランスワイン講座開催ということもあり、今月はお節料理とフランスワインのペアリングを紹介していきたいと思います。
でもその前に、私の担当するお店 “SUN with MOON Japanese Dining & Café” を少し紹介させてください。OrchardエリアのWheelock Place3階にあるカジュアルな和食店ですが、場所柄日本人にほとんど知られていません。
しかし実はあの有名な吉兆出身の日本人総料理長が監修する、早いもので15年も続いている老舗になります。もちろん私がセレクトしたコスパ抜群のワインを筆頭に、日本酒やビール、ハイボールなども揃えております。
ハイボールと言えば実は私、先日までクラークキーにあった串カツ屋さんを担当していたこともあり、この度あの強炭酸ハイボールをSUN with MOONに移設いたしました!
もちろんメガサイズも揃えてあります!
シュワっとキンキンに冷えたあの味がいつでも楽しめるので、是非是非いらして下さい!
さて、本題のお節とフランスワインのペアリングについてです。イメージとしてSUN with MOONのボリュームたっぷりお節を例に、もちろんお家でも実践できる簡単ペアリングをご紹介していきます。
ワインショップやスーパーでもワインを探しやすい様に、アルファベットと片仮名で重複して表記してありますが、ご了承ください。
縁起物を一度に多く目で楽しめるお節ですから、本当は一品一品のペアリングをお勧めするつもりだったんですが、そうこうするうちにワインが30本くらいになってしまいました…。
これではお正月がいつまでたっても終わらないので、悩んだ末に今回は料理タイプ別の合わせ方をご紹介していこうと思います。日頃のペアリングにも役立つと思います。
価格や難易度、手に入れやすさなどを私の主観で☆を付けています。少しでも参考になればと思います。生産者や購入場所などにより価格は大きく振れますが、およそこんなイメージです。
それからワインの写真はイメージになりますが、全てシンガポールで手に入るものになっています。
☆ ~$30
☆☆ $30~$50
☆☆☆ $50~$100
☆☆☆☆ $100~$200
☆☆☆☆☆ $200~
~優しい甘味のあるもの~
抗酸化作用を持つポリフェノールたっぷりの黒豆には、同じくポリフェノールが溶け込んだピンクのChampagne Rose (シャンパーニュ・ロゼ)がオシャレです。
甘すぎないけどほんのりした甘味の伊達巻などには Alsace (アルザス)地方のRiesling (リースリング)からの白ワインもお勧めです。
Rieslingというブドウから造られるこのワインは、蜂蜜のような甘めの香りとはっきりした酸味から、伊達巻の甘味としっかりとバランスが取れます。
Champagne Rose (シャンパーニュ・ロゼ)
タイプ:発泡
色:ロゼ
価格:☆☆☆☆
ペアリング難易度:☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
Riesling (リースリング)
タイプ:非発泡
色:白
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
~甲殻類など旨味たっぷりの魚介~
ボイルされて冷やされて、ちょっと時間をおいて旨味を増したプリプリの海老。もはや熟成した魚肉とも呼べる紅白かまぼこ(言い過ぎ?)。このような旨味の強い甲殻類や魚介には樽が効いた白ワインが合わせやすいです。
例えばBourgogne (ブルゴーニュ)のMeursault (ムルソー)で造られている白だと、ふくよかな飲み口にしっかりとしたミネラルと、条件にぴったりだと思います。
もしくは同じBourgogneのPouilly Fuisse (プイィ・フュイッセ)なんかも樽が優しくきいて、酸味がキリっと心地よいです。
これらは白ワインとは言え、冷やしすぎずにオンテーブルでだらだらと気軽に楽しんでくださいね。
Meursault (ムルソー)
タイプ:非発泡
色:白
価格:☆☆☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆
Pouilly Fuisse (プイィ・フュイッセ)
タイプ:非発泡
色:白
価格:☆☆☆
ペアリング難易度:☆
手に入れやすさ:☆☆
~寿司・刺身~
寿司や刺身などの生魚は難しいところですが、これについてブルゴーニュワイン界大御所から直接伝授頂きました!もちろんミネラルの感じられる白ワインがいいとのことですが、なんと軽めの赤ワインもいいよ!とのことです。
…ホントデスカ?
そのワインはSavigny Les Beaune (サヴィニ・レ・ボーヌ)というブルゴーニュワイン、もしくはその近くの赤ワインです。特に若めが良いとのことです。
つい最近仕入れたネタということもあり、なかなか勇気が出なくてまだ試しておりません…。
大御所ごめんなさい…。
Savigny Les Beaune (サヴィニ・レ・ボーヌ)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆☆
ペアリング難易度:☆☆☆☆☆
手に入れやすさ:☆☆
~お雑煮・お餅・煮物~
お餅の入ったお雑煮は汁ものなので、ワインと無理に合わせる必要はないかと思います。
ですが醤油ベースの煮物と同じように考えると、軽めの赤ワイン、Beaujolais (ボジョレー)の赤が合わせられます。とはいえBeaujolais Nouveau (ボジョレー・ヌーヴォー)では物足りないので、ヌーヴォーではないやつ、と店員さんに相談してみて下さい。
Beaujolaisなら焼餅の香ばしさ・もち米の甘味と旨味にも合わせやすそうです。
お雑煮が味噌ベースという方は別途ご相談ください…。
Beaujolais (ボジョレー)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
~煮魚・焼き魚~
煮魚や照焼きのお魚ですと、Rhone (ローヌ)地方のCote du Rhone (コート・デュ・ローヌ)がしつこくなく、タレや煮汁の甘味・醤油の旨味・白身魚の程よい脂とマッチするはずです。
今の時代、魚に白ワインという考えは捨てましょう!
Cote du Rhone (コート・デュ・ローヌ)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
~お肉~
写真にはありませんが、近年ではローストビーフや赤身肉が入っていることも珍しくはありませんね。ローストビーフや焼いたお肉には中程度の赤ワイン、タンニン柔らかめMedium-bodyのBordeaux (ボルドー)の赤を合わせてみて下さい。
そしてお肉の煮込みだとLanguedoc-Roussillon (ラングドック・ルーション)地方の凝縮感やスパイス感のあるCorbieres (コルビエール)やその周辺の赤ワインがお勧めです。周辺の似たタイプのワインについては、店員さんに確認してみて下さいね。
Bordeaux (ボルドー)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
Corbieres (コルビエール)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆
~特別編・栗きんとん~
デザート(?)の栗きんとんには濃厚な甘口ワインがばっちりです。
甘いだけではなく酸味とのバランスが取れている、世界3大貴腐ワインと称されるボルドーのSauternes (ソーテルヌ)だと、ボディーの厚みがねっとりとした栗きんとんにはなおさら最高です!色も似ていますよね。
もしくは同じボルドーのLoupiac (ルーピアック)は比較的軽くなりますが、こちらは安価で手に入れることが出来ます。貴腐ワインも生産しますが、全てではないのでご注意を。
私は昔猫を飼っていたんですが、目を離した隙に栗きんとんを全て食べられていたという、悔しいお正月の思い出がある為、私にとって栗きんとんは特別な存在です。しっかりと敬意を払って最高のデザートワインをご用意ください!
※貴腐ワインとは世界最高級の甘口ワインの一つで、ブドウに{貴腐菌」が付着することでブドウの水分が失われ、糖度が極限まで高まったブドウを原料に造られた甘口ワインのこと。貴腐ワイン1ℓあたりの糖分量はなんと100g~150gにもなります。
これは1月のクラスに組み込む予定です!
Sauternes (ソーテルヌの貴腐ワイン)
タイプ:非発泡・甘口
色:白
価格:☆☆☆☆
ペアリング難易度:☆
手に入れやすさ:☆☆☆
Loupiac (ルーピアック)
タイプ:非発泡・甘口
色:白
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆
手に入れやすさ:☆☆
和食とフランスワインのペアリングは何とも素敵ですね。結局11種類になってしまいましたが、この中のどれか1本を用意してあるだけでも十分楽しめると思います。
まるでコース仕立てでも楽しめそうなお節ですが、多めに用意して毎日違うペアリングを試してみてもいいですね。今からお正月が楽しみです!
携帯を握りしめて、店員さんに相談してみて下さい。
少し早いですが、良いお年をお迎えください!
次回の講座のお知らせ
大人のたしなみ講座 『ワインの会』
1月はボルドーブレンドの美学
1月14日(木)
昼の部 13:00~14:30(90分) 10席
夜の部 18:30~20:00(90分) 10席
1月21日(木)
昼の部 13:00~14:30(90分) 10席
夜の部 18:30~20:00(90分) 10席
参加費:1人$80 二人以上で申し込むと1人$70
場所:b. studio (チャイナタウン駅から徒歩3分)
Blk 34 Upper Cross St, #04-150, Singapore 050034
お問い合わせ&お申し込みは
📨メール teppei@byst.sg
WhatsApp +65-8138-4613
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe
Address: 501 Orchard Rd, #03 – 15, Singapore 238880
Tel: 6733 6636
https://www.sunwithmoon.com.sg/