皆様、いかがお過ごしでしょうか?
店内飲食の2人制限がまた延びてしまい、そろそろ皆で集まれないストレスが限界に近付いている方も多いのではないかと思います。
逆にこのシチュエーションに慣れてしまい、家で気兼ねなく飲むのもいいな、となっている方も増えているようですね。慣れてくればこういう状況が普通に感じてくるから不思議です。
もう少ししたら5人、あるいはもう少し大人数でビールが飲める日が来るのでしょうか?
そんなコロナ禍の中でも、クラフトビールのお店はまだ増えています。
今まではなかったような場所にも増えているので、知らない地域にあるお店を訪ねて、新しい発見があるのが楽しいです。
皆様がクラフトビールを飲みに行く時の参考にしていただければ幸いです。
それでは今回もお楽しみ下さい!
<広瀬礼仁>
シンガポールのクラフトビール専門店「SG TAPS」店長兼ウエイター。
当地シンガポールにて、クラフトビール業界に5年程関わったのち、2018年4月に独立。ビールを始め、日本酒、ワイン、ウイスキーなど、アルコール文化に対する愛は誰よりも広く深いと自負している。
[Crimson by Sunbird]【閉店】
7 Ang Mo Kio Street 66, #01-06, Singapore 567708
Tel : 88604394
営業時間:火~金11:00-22:30 土日11:30-22:30 月曜定休
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比較的新しくオープンしたシンガポールのブリュワリー「サンバード」の直営店です。
サンバードはユニークでクオリティーの高いビールを意欲的にリリースしており、季節限定やイベント用のビールなどにも力を入れています。
こちらのお店「クリムゾン」のドラフトビールは全て自社のビールとなっていますが、ジャスミンのIPAやオンデオンデ(ローカルスイーツ)の黒ビールなど、シンガポールやアジアを意識した、個性的なビールが並んでいて、メニューを見ているだけで楽しいです。
今まではあまりバーなどがなかった地域にオープンして、地元の若者を中心にじわじわと人気が出始めています。
イオチューカンの駅から少し離れた住宅地の小さなモールにあり、アクセスが良いとは言い難い場所にありますが、今はHDBなどの近隣住民をメインターゲットに据えたお店が増えているので、都市部からのアクセスの良し悪しはあまり影響ないのかも知れません。
小さなお店ながらフードの種類は充実しています。ランチからオープンしているので、お食事をメインとしたメニューになっていて、トーストサンド、バーガー、丼ものなど、手をかけて丁寧に作られておりますので、どれも美味しいです。
このエリアにお住まいでないとわざわざ出かけない場所だと思いますが、彼らのビールは完成度が高く、ドラフトで飲める場所は少ないので、少し足を伸ばしても行く価値があるお店ではないかと思います。
- 価格:普通
- タップ数:10
- ビールのクオリティー:とても良い
- 雰囲気:本当に鳥が住んでいそうな温かみのあるインテリア
- トイレ:きれい
- アクセス:ちょっとわかりにくい
- 一口ポイント:ユニークな自社ビールのバラエティー
[American Taproom, Geylang]
71/73 Geylang Rd, Singapore 389195
Tel : 81814267
営業時間:月~金16:00-22:30 土日12:00-22:30
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ブギス付近にある同名店舗の二号店です。
数年前にオープンした一号店は、30タップという、当時としてはシンガポール随一のドラフトビールの品揃えで、ビールファンを驚かせましたが、こちらのゲイラン店ではさらに40タップというものすごい数のドラフトを揃え、再び島内最大タップ数を更新しました。
40タップというのは、管理する方も大変でしょうが、選ぶ方も大変です。
よほどビールに詳しい人でもない限り、どれを選んで良いのか混乱してしまうはずです。
その点こちらの店員さんは皆ビールに詳しく、好みのビールや探しているビールを伝えれば、フレンドリーにアドバイスをしてくれます。
カウンターにずらーっと40のタップが並ぶ図は壮観の一言で、入った瞬間ものすごいインパクトがあります。その分インテリアは黒と白ですっきりまとめ、落ち着いたアダルトな空間を演出しています。
外席も多く作られているので、夜風に当たりながら気持ちよく飲むのも良いと思います。
フードメニューは、フィンガーフード、バーガー、ステーキやリブ、薄い生地のピザなど、バーメニューとしてははずさない、堅実なラインナップとなっています。
ゲイランとは言え、ほとんどカラン駅の横なのでMRTからのアクセスもいいですし、カウンターや外席もあるので、パッと入りやすい雰囲気です。
何より40タップというのはかなり選びがいがありますし、今後も40タップ以上の店というのはしばらく現れないと思いますので、ぜひともこちらのお店で、島内最多のドラフトビールセレクションを体験してみて下さい。
- 価格:普通
- タップ数:40!
- ビールのクオリティー:とても良い
- 雰囲気:40タップが圧巻のカウンター
- トイレ:一号店よりかなりきれい
- アクセス:良い
- 一口ポイント:島内最大のドラフト品揃え
[Thirty Six Brewlab & Smokehouse]
36 Club St, Singapore 069469
Tel : 62390350
営業時間:月火16:00-22:30 水~金 11:00-22:30 土日10:00-22:30
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元々リトルクリーチャーというオーストラリアのクラフトビールのお店があった場所なので、場所を聞くとすぐにわかる方も多いかと思います。
現在はシンガポールの「ライオン・ブリュワリー」とその別ブランドである「ブリューラボ」のビールを主に扱う直営店です
ラガーやペールエールと言った、彼らの定番スタンダードから、ユニークなサワーエールや紫色のビールまで、幅広いバラエティーの自家醸造ビールを16種類そろえています。
バーカウンターの後ろにはブリュワリー設備がどーんと構えていて、ものすごい存在感を放っています。この設備を見ているだけでビールの味が200%アップしますね。
料理も非常に丁寧に作られていて、バーフードというよりレストランに近い感じです。
フィンガーフードからメインデッシュまで、とにかく手をかけて作られていて、いわゆるクラフトビールバーのおつまみとは一線を画しています。食事だけでも満足できると思いますし、周りを見ると実際に飲まないでお食事だけに来店されている方もいるようです。
凝っているのは食事だけではなく、インテリアデザインが上質で、家具・調度品もとても質の良い物を選んでいます。
とても落ち着いた店内は居心地がよく、単にクラフトビールを飲みに来た、というだけに留まらずそれ以上の価値のある時間を与えてくれます。
ライオンブリュワリーはシンガポールのブリュワリーですが、オーナー・ブリュワー共に欧米系の人によって経営されています。ですのでどこかヨーロピアンなイメージがあるのが彼らのビールの特徴で、それがストレートにこのお店の雰囲気に反映されているように思えます。
ゆっくりビールを楽しみたい時や、デートなどにもふさわしいお店だと思います。
- 価格:やや高め
- タップ数:16
- ビールのクオリティー:良い
- 雰囲気:上質な空間
- トイレ:素晴らしい
- アクセス:テロックアヤ駅近く
- 一口ポイント:ライオンブリュワリー直営店
[Angie’s Oyster Bar & Grill]
313, Outram Road Tan Boon Liat Building, #02-01, 169073
Tel : 62219555
営業時間:月~木12:00-22:00 金12:00-23:00 土日10:30-23:00
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もともとはラッフルズのビルの高層階にあったお店ですが、昨年ティオンバルエリアに移転したようです。
タン・ブーン・リアットという小さな家具屋さんがたくさん入っているHDBの、駐車場横に建っている不思議な位置の建物の二階で、なかなか興味深いロケーションになります。
この建物は以前、超ローカルスタイルのシーフードレストランが入っていましたが、そこが閉店して長らくの間空き物件になっていたところに、このアンジー・オイスター・バーが移転してきたようです。
あのローカルシーフードの雰囲気がここまで変わるかというくらい、お洒落で高級感あるお店に変貌しています。ラッフルズにあった頃と変わらずお洒落ですが、今の方が地元色がでていて入りやすい感じです。
以前の店舗ではドラフトビールが4~5種類あり、移転したばかりの頃も4種類はあったように記憶しているのですが、最近行ってみたらブルックリンのラガーとIPAの二種類だけになっていました。クオリティーはとても良いのですが、立派なタップのあるバーカウンターですので、もう何種類かビールを加えてもらえると嬉しいですね。
料理の質はさすがです。オイスターバーという店名の通り、3ドルから9ドル位の数種類のバラエティーの牡蠣を常に揃えています。もちろん新鮮で美味しいです。
他もパスタやバーガーやシーフードなどのメインディッシュをしっかりと揃え、どのメニューもとてもハイクオリティーで、味はもちろん見た目にもこだわって調理されています。
元々シーフード系がメインのハイエンドなレストランですので、料理のレベルは他のクラフトビールバーとは一線を画しています。
バーテンダーがカクテルも提供しているので、ビールを目当てに来るお客さんよりも、雰囲気の良いレストランとしてのお客さんがほとんどです。
クラフトビールの専門店ではないですが、今のロケーションがユニークな事と、テラス席の雰囲気がとても良くビールを美味しく楽しめる事から、こちらのお店も紹介してみました。
- 価格:やや高級
- タップ数:2
- ビールのクオリティー:良い
- 雰囲気:高級感があり落ち着いている
- トイレ:美しい
- アクセス:道が複雑で近くにいるのにたどり着けない
- 一口ポイント:食事を楽しむつもりで
[Gone Rogue Brewing]【閉店】
4 Bukit Batok Street 41, #01-09/10/11 Le Quest Mall, Singapore 657991
Tel : 91008646
営業時間:月~日12:00-22:00
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こちらも郊外の新しいコンドミニアムの下のショッピングモールにオープンした、この地域では唯一のクラフトビール店です。
最大の特徴は全てのドラフトビールが自社ブリュワリー製であること。18種類もバラエティーがあり、クラシックタイプ9種類、モダンタイプ9種類と二つのカテゴリーに分かれており、全てのビールがきちんと違う味に仕上がっているのが見事です。
クラシックタイプは。ピルスナー、ウィート、ブラウンエール、レッドエール、IPAなど、基本をしっかり押さえたラインナップ、味わいとなっています。
モダンタイプは、ライチラッシー、アールグレイ、シナモン、ヘーゼルナッツなど、スパイスや果実のフレーバーを加えた、華やかで複雑な味のものが多く、メニューを見ているだけで楽しくなるバラエティーです。
4種類のテイスティングセットもあるので、たくさん試してみたい方にはこちらもおすすめです。
フードは、数種のピザを中心に、パスタや、鴨のコンフィやパイなどのメインディッシュ、チキンウイングや揚げワンタンなどのバーフード。種類は多くはないですが、どれも一工夫あるメニューになっています。
お昼から通しで開いているので、食事だけのご利用のお客さんも多いそうです。
インテリアはシンプルですが、ヨーロッパ的で温かみのある内装です。座席数は見た目より多そうです。
このような郊外のお店の特徴として、地元の若者が客層の中心ということがあるのですが、こちらのお店もやはり近隣の若いローカルの客さんで賑わっていました。
近頃はこういったお店が、クラフトビールの需要をローカルの若者に向けてどんどん広げています。その結果として、今まであまりクラフトビールを飲まなかった層を結構な勢いで取り込んでいっています。
こちらも、若者が多いだけあって、クラフトビールの初心者でも気軽に入りやすい雰囲気です。
私が行った時には日本語が上手な女性スタッフがいました。ウエスト方面の方はぜひ一度行ってみて下さい。
- 価格:ややリーズナブル
- タップ数:18
- ビールのクオリティー:とても良い
- 雰囲気:シンプルで温かみがある
- トイレ:モールのトイレなのでやや遠い
- アクセス:ちょっと難しい
- 一口ポイント:ユニークな8種類の自家醸造ビール
[Ang Mo Liang Teh]
121 Bukit Merah Lane 1, #01-06, Singapore 150121
移転 → 70 Shenton Wy, #01-13 Eon Shenton, Singapore 079118
Tel : 90253388
営業時間:月~土12:00-22:00 日曜定休
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アレキサンドラ・フードビレッジの横の小さな商店街にある、こじんまりとしたボトルショップです。HDBの下にあり、やはり地元の若者が客層のメインのようです。
クラフトビールのお店があるようには見えない場所にあるので、よく見ていないと見落としてしまうかも知れません。
場所としては、IKEA隣のアレクサンドラ・ショッピングモールから陸橋を渡って下りたあたりになります。
100種類以上のボトル・缶の品揃えがあり、クラフトビール初心者向けの一般的なビールから、少し通好みなものまで幅広くそろえています。
持ち帰り専門店なので、ドラフトビールはありません。その分価格もリーズナブルに抑えています。
店内には椅子が二つあり、そこで飲めはするようですが、あまり落ち着いて飲めるような席ではなく、あくまで試飲スペースという感じです。
ここでビールを買って、すぐ後ろのアレクサンドラビレッジ・フードセンターで食事と合わせて飲むのもいいかもしれません。(あまり大々的にやると怒られると思いますが)
近頃はこのような、テイクアウトに特化した郊外型ボトルショップが増えてきている気がします。
家飲みのチョイスも増えますし、ホームパーティーが好きな方には強い味方になるのではないでしょうか?
- 価格:ややリーズナブル
- タップ数:無し
- ビールのクオリティー:良い
- 雰囲気:シンプルなボトルショップ
- トイレ:無し(多分)
- アクセス:IKEA近く
- 一口ポイント:近隣住民ターゲットの郊外型ボトルショップ
[Aloha Avenue]【閉店】
51 Haji Ln, Singapore 189244
Tel : 80101183
営業時間:火~土12:00-22:30 日11:00-17:00 月曜定休
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アラブストリートにある、インテリアがとてもかわいらしい、ハワイアンのカフェで、ハワイのクラフトビール「コナ」が数種類、ボトルで楽しめます。
クラフトビールの専門店ではないですが、オーナーさんが日本人なので、日本にあるようなお洒落なハワイアンカフェを再現していて、ポキ丼やロコモコ丼やクリームがたっぷりのったパンケーキなど、おなじみのハワイアンフードを味わえます。マンゴーカレーなんかも気になります。
ふわふわクリームのパンケーキはまさにハワイアンな美味しさで、意外にもビールとも相性がよいです。
裏原宿のような雰囲気のある、アラブストリートエリアのハジ・レーンの路面店で、こじんまりとした店舗に、ハワイをイメージしたデザインや小物がぎゅっと詰め込まれていて、のんびりコナビールを飲んでいると、ハワイにトリップしたような気分になります。
コナビールは、今や世界中にファンを持つハワイの代表的なクラフトビールで、ラガーもIPAも、南の島を思わせる華やかなホップ使いやフルーツフレイバーとの見事な融合が特徴です。
こちらのお店は、ハジ・レーンでのショッピングの途中に、気軽に一杯飲んでいけるような、とても入りやすい雰囲気のお店です。ですので、ローカルの若者や欧米人や日本人、様々な人たちがお客さんとしてやってきているようです。
シンガポールでは珍しいハワイアンなカフェでハワイのクラフトビールが楽しめるということで、日本人の方には特におすすめしたいと思い紹介いたしました。
ハジ・レーンは昔から変わらず、センスの良い小さな個人店が集まる場所で、店頭のデザインもお洒落でセンスの良いお店が多くおもちゃ箱のような通りです。歩いているだけでも楽しめます。シンガポールの若者のカルチャーを知る場所としても興味深いストリートですので、ぜひ行ってみて下さい。
行った際にはコナビールでまったり休憩、いいですよ。
- 価格:リーズナブル
- タップ数:無し
- ビールのクオリティー:良い
- 雰囲気:小さくておしゃれ
- トイレ:きれい
- アクセス:ブギス駅から徒歩5分
- 一口ポイント:シンガポールでは珍しいハワイアン
この数か月でまた、様々なタイプのクラフトビール店が出来ていました。
ちょっと飽和状態になりかけている気がしなくもないですが、増え続けているということはまだまだマーケットに需要があるということなのでしょう。
実際、お店が増えたおかげで、単にクラフトビールを飲む、というだけではなく、様々な目的やシチュエーションによってお店を使い分けられるようになりました。
今後も、今までになかったようなお店が登場するのかと思うと、とても楽しみです。
また新しいお店の情報があればどんどん上げていきます!
それではまた次回、お会いしましょう。
*営業時間はGoogleマップの情報を元に記載したものですが、Googleへの連絡なしに営業が変更になっていたり、あるいは暇だと早めに閉めてしまったり、シンガポールではよくあることですので、確実に入店するには、行く前に電話で確認することをお勧めします。
クラフトビール好きな人集合!
このコラムの著者であるビールマスター広瀬氏によるクラフトビールを学ぶワークショップ開催決定!
お申込み・お問合せは teppei@byst.sg / WhatsApp +65-8138-4613 まで
シンガポールのおすすめクラフトビール
過去のクラフトビールコラムはこちら⇩
https://byst.sg/category/blog/food-drink/craft-beer/
SG TAPS
島内唯一シンガポールのクラフトビールが18種類、生で飲めるシンガポールビール専門店。 ボトルビールでは更に、日本、香港、ベトナム、台湾、インドなどのクラフトビールを揃え、アジアのクラフトビール文化を底上げしていきたいと考えている。 ラクサピザ、奄美鶏飯風チキンライスなど、ローカル、和洋食を絶妙に組み合わせたユニークなフードも人気。
https://www.facebook.com/SGTAPS13/