皆さんは食事に出かける時、どのような目的でお店を決めていますか。
美味しいからというのはもちろんのこと、サービスがいい、雰囲気がいい、ご近所だから、知り合いのお店へなど様々ではないでしょうか。
コロナ禍になってからは地元のお店や知り合いのお店をサポートするために通ったり、デリバリーを注文して、ファンコミュニティで支え合うカルチャーが生まれましたね。
今回ご紹介するカフェはとても重要な社会的意義を持ったお店です。
場所はPeople’s Park Centreの裏側(正面玄関からぐるっと建物を回ってください)
チャイナタウンポイントの道を挟んで反対側です。
一見とても普通の佇まいをした街の飲茶カフェ。
冒頭で述べた社会的意義は何かというと
このお店は元麻薬中毒者の更生プログラムを運営している非営利団体によるカフェで、働いている方は元麻薬中毒者。現在『Breakthrough’s mission』というプログラムを通して社会復帰に向けて日々リハビリに取り組んでいるのです。
1983年に元中毒者によって立ち上げられたこの団体は、リハビリ用の施設で3年間の無料プログラムを提供していて、その中でカフェで働いたり、コンピュータースキルの取得などを行い、社会復帰の手助けをしています。http://breakthroughmissions.org.sg/index.html
また、ゴスペルをベースにお互いを治癒していくので、今は皆クリスチャンに改宗したのだとか。
今回の来店、実は何も知らずにただただ美味しそうな雰囲気を醸し出していたので入ったのです。
満面の笑みで店内に迎え入れられたのですが、一歩踏み入れると何やら働いている人が筋肉質な男性ばかり。 そしてタトゥーをしている人がとても多い。
むむむ。 なにやら普通のお店と少し雰囲気が違うなと感じていたのですが、お店の壁に貼られている新聞の切り抜きやテーブルに置かれている団体の説明を見てお店のバックグラウンドを知り納得。
料理の紹介に入る前にこれだけは声を大にして言いたい。
一見、強面なのですが、
接客の細やかさと笑顔は私の10年のシンガポール生活でローカルレストランTOP 3に入ります。
(高級店はそもそもの値段が違うので比較対象になりませんのであしからず。)
シンガポールにあるカジュアルレストランのサービスのレベルの低さにはビックリされる方も多いはずです。ここのレベルがなかなか上がってきません。何もしないのにサービスチャージを10%取られるなんて納得できないことばかり。
とはいえ、人気店は高水準のサービスを提供しているので、レストランを選ぶ上で大切なポイントですよね。
ここはとにかく困っているとすぐに声かけに来てくれる上に、お皿なども必要な時にすぐに運んできてくれます。
お皿の上げ下げも早い。 きびきびとフロアーを動き回って、とにかく笑顔です。
強面の人が笑顔だとなんだかギャップにやられちゃいますよね。
さて、お目当ての料理の紹介に移りましょう。
点心を中心に、フィッシュヘッドカレーやホットポット系のランチセットも取り揃えています。
その上、とにかく安い。
小さくてかわいいのに、侮るなかれ、中には肉汁が一杯。
2人なのに安いのでついつい頼み過ぎてしまいましたが、しっかりと完食。
たまたま入ったのにまるで香港にある大衆飲茶カフェに来たような雰囲気と、しっかりとトレーニングされた接客。
また、皆それぞれにリハビリを真剣に受けて新しい生活へ踏み出そうという意思が働く姿勢から感じられ、我々お客さんも安くて美味しいだけでなく、食べることで更生プログラムのコミュニティや社会に少しでも還元できているという喜びもあります。
ランチだけでなく、お茶やデザートだけでも利用可能です!
食べることを通して社会への貢献もできる飲茶カフェ、是非皆さんも食べることでシンガポールのコミュニティへ還元してみてはいかがでしょう。
Breakthrough Cafe
月~金 7am-5pm 土 7am-3pm 日休
http://breakthroughmissions.org.sg/