ここにしかない豪華なオリジナルコンテンツもシンガポール国立博物館で11月5日から 『THE ドラえもん展』初の海外展示が開幕!

2020年、シンガポール国立博物館前にどこでもドアとドラえもんが登場したのを記憶している方も多いかもしれません。

コロナの制限下で、大人にも子どもにも夢やワクワク感をくれた『ドラえもん タイムトラベリングアドベンチャーズ in Singapore』から2年。シンガポーリアンにも大人気のドラえもんが『THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 THEドラえもん展』として再び日本からやってきました。

開幕に先立って行われたプレスプレビューの様子と、シンガポール出身のフォトグラファー、レスリー・キー氏のインタビューを公開!

28人の日本人アーティストがドラえもんをテーマに競演

メインとなる展示は、2017年に六本木から始まり日本全国8ヶ所で開催された巡回展。

それが日本を飛び出して、初となる海外展示を、ここシンガポールで今日から来年2月5日まで開催することに。“あなたのドラえもんをつくってください”というお題のもとに、現代アーティストが自分なりのドラえもんを多彩に表現。アートの面白さ、驚き、素晴らしさに出会える作品が並び、会場は興奮に包まれていました。

参加アーティストは、村上隆、蜷川実花、奈良美智をはじめとする日本を代表するクリエイターから、若手の注目アーティストまでが名前を連ねます。

Sebastian Masuda, ‘Final Weapon’ (2017), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO

開幕前のプレスプレビューには、アーティストのセバスチャン増田氏が来星。セバスチャン増田氏といえば、‘90年代から現在に至るまで、原宿から”カワイイ“を発信し続け、日本のKAWAIIカルチャーを世界に広めた第一人者。

「ドラえもんと同い歳、のび太とは同じ誕生日で、小さい頃からドラえもんが大好きでずっとドラえもんを描いていました。アーティストになるきっかけでもあったドラえもんは自分にとってはなくてはならない存在」と語るセバスチャン増田氏。

増田氏のカワイイがふんだんに表現された、ベロを出したピンクのドラえもんはその大きさでも人々を驚かせます。

Akinori Goto, ‘Chrono-space’ (2017), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / ‘Imagine’ (2022), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO
Tomoyoshi Sakamoto, ‘I wonder when we'll grow up’ (2017), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / ‘Imagine’ (2022), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO
Takashi Murakami, ‘Wouldn't It Be Nice If We Could Do Such a Thing’ (2017), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / ‘Imagine’ (2022), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO

ほかにも、これは何!?どこがドラえもん!?と見入ってしまう作品がいっぱい。

ドラえもんがモチーフだけに、すべての作品がハッピーでポジティブなエネルギーに満ちているように感じます。

アーティストのさまざまな表現は大人にも子どもにも大きな刺激になり、一日中いても飽きることはなさそう!時間をたっぷり取って訪れてくださいね。

そして、この『THE ドラえもん展』、日本からそっくりそのまま同じものがやってきたわけではありません。シンガポール限定の、エクスクルーシブな内容がまたスゴイ!

Special 1 オリジナル企画『MANGA ドラえもん原画展』

日本の展覧会にはなかったオリジナルコンテンツとして原画やスケッチの展示を追加。貴重な原画はもちろんアジア初公開で、普段は川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムでしか見ることができません。印刷物ではどうしても失われてしまう、原画ならではの筆のタッチや紙の風合いをじっくり鑑賞したいですね。

Special 2 焼きたてどら焼き!『とらやカフェ』が出現

日本だとほぼ不可能と言われている400年の歴史を誇る和菓子の老舗『とらや』とのコラボレーションが実現。どら焼きには、鈴の焼印が!あぁ、可愛い・・・。 日本からやってきた和菓子職人が目の前で焼き上げます。とらやの人気商品、あんペーストと羊羹も販売。

Special 3 シンガポール限定デザインアイテムを販売

展覧会グッズが手に入るポップアップショップには可愛いドラえもんグッズがずらり。中でもシンガポールらしいデザインを加えたオリジナルアイテムは特に希少!またローカルアーティストの作品をプリントしたTシャツやトートバッグもここでしか手に入らないレアものです(シンガポール限定アイテムは11月中旬頃、店頭に並ぶ予定)。

Leslie Kee, ‘Imagine’ (2022), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO
Jahan Loh, ‘Intergalactic Voyagers’ and ‘Teleportation Art: Series 1 & 2’ (2022), THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 ©Fujiko-Pro / Image credit: BYST.SG, MAIKO PHOTO

Special 4 シンガポール人アーティスト2名の作品を新たに追加!

日本では28名の日本人アーテイストの作品が並びますが、シンガポール版では、ローカルアーティストとして、ポップアートの第一人者であるジャハン・ロー氏と、世界的に活躍する写真家レスリー・キー氏の両名に作品の制作を依頼、新たな作品を追加展示しています。

プレスプレビューにはローカルアーティスト2名も登場。左からシンガポール国立博物館ディレクターChung May Khuen氏、レスリー・キー氏、セバスチャン・増田氏、ジャハン・ロー氏、LE YOUKI今村幸氏。

シンガポール人アーティスト、レスリー・キー氏にインタビュー!

日本在住30年の写真家のレスリー・キー氏ですが、生まれ育ったのはここシンガポール。

「シンガポールに住む日本人のみなさんに、ぜひ展示を見ていただきたい」と言うレスリー氏にお話しを伺うことができました。

レスリー・キー氏。フォトグラファーとしてアート、ファッション、広告の撮影、映像監督などを中心に世界各国で活動。

―シンガポールでの展示にあたり、ローカルアーティストとして選ばれたお気持ちは?

2017年から5年かけて日本各地を回ったドラえもん展は大きな話題でした。長年愛されてきたドラえもんはただのアニメキャラクターではなく、アートの域に達している存在。そんなドラえもん展がシンガポールに来るというのがまずは素晴らしいこと。シンガポール人だけでなく周辺の東南アジアにもドラえもんファンはいっぱいいるし、彼らも日本に行かなくても展覧会を見ることができますしね。そして、ジャハン・ローと僕の二人がシンガポール代表として選ばれ、作品のオファーをもらったことは驚いたとともにとても光栄なことです。また日本だけでなくアジアの国々とシンガポールを繋げるという自分らしいプロジェクトを任せてもらえたことはとてもありがたかったですね。

―全体的にブルーがかった作品ですね。

ブルーは特に好きな色。小さい頃はいつもブルーを着ていたし、“晴れ男”である僕の写真に映る空はいつも晴天の青です。そして、幼い頃から知っているドラえもんもブルー。ドラえもんってアメリカの強くて大きいヒーローとは違って、小さくてかわいいキャラクターですよね。でもみんなを守ってくれるヒーロー。それは世界を救うスーパーヒーローが必ずしも大きくて強くある必要はないってことを教えてくれている。ある意味、アジア人にとっては大きな励みになる存在だと思いますね。

―”自分なりのドラえもん”どのように決まったんですか?

どんな作品にするかかなり考えました。最初はわかりやすいドラえもんのポートレートも考えましたが、自分なりの表現をするなら?という方向に変わっていきました。僕はまっすぐに、ヒューマニティやファッションを表現する写真家です。僕の作品はドラえもんのアニメーションとはかなり違うジャンルだし、僕なりの作品でドラえもんを分かりやすく表現するのは難しい。でも分かっていたのは、ブルーは自分の好きな色であること。そして今までブルーライト、ブルーバックでの撮影はしてこなかったということ。だから僕自身にとっても、ブルーライトのポートレート撮影は新しいことだったんです。

―この作品で伝えたいことは?

ジェンダーやアイデンティテイ、スキントーンによって一人一人違ったブルーになりますよね。それを一つにしたこの作品のタイトルは、

Imagine LOVE
Imagine PEACE
Imagine ONE
Imagine YOU
Imagine ME
Imagine DORAEMON

この5年間、SDGs、ジェンダーイクオリティ、ヒューマンライツに関わる企画をいっぱいしてきました。自分にとってもこれはとても大切なことです。そして今、パンデミックが起き、まだ戦争はなくならない。ヒューマンライツを未だに理解できない国のリーダーがいることも残念。

だから、人間同士、肌色も違う、ジェンダーも違う、でも僕たちはひとつ、というわかりやすい自分のメッセージを改めてこの大きなプラットフォームで伝えたかったんです。巨大なポートレート作品を見て、地球ってひとつだよねと感じて欲しい。

そしてもう一つ、ドラえもんは50年以上テレビ、漫画、映画を通して、生きる勇気を与えてくれ続けている。ただ生きるだけで美しい、素晴らしい、すごいことだ、そんなことを改めて感じてほしいと思います。

―モデルが着用しているファッションにも特別な思いがあるとか。

撮影はNYで行いました。モデルが着用しているのは僕が最も敬愛するデザイナー、トム・ブラウンの2022年秋冬最新コレクション。トム・ブラウンは、ヒューマンライツ、LGBT、ジェンダーイクオリティをサポートしている人で、彼が持つメッセージと自分も同じ方向性を持っています。共感できるデザイナーの衣装を選んでいることは大事な要素です。

 

―最後に、シンガポールに住む日本人のみなさんへメッセージを

多民族の中で平和に生きるのはシンガポールでは当たり前のことですよね。隣にどこの国の人座っても違和感がない。でもまだ日本ではその感覚は少し難しいかもしれません。

愛する自分の国シンガポールは、小さいシティ国家でありながら常に発展し、世界中の人を歓迎しています。シンガポールのようにお互いが認め合って暮らせば、世界はもっと平和になると思う。

ここに住む日本の人には、シンガポールの美しい思い出、素晴らしさをたくさんの人に伝えて欲しいと思います。

―ありがとうございました!

マルチレイシャル(多民族)の国出身のフォトグラファーによる、マルチレイシャルなポートレート。大きなギャラリーならではの、巨大な作品をぜひゆっくり鑑賞してみてください。

そして今回の展覧会を主催したLE YOUKIの今村幸氏にもコメントをいただきました。

シンガポール国立博物館とのパートナーシップで展覧会誘致を実現させた今村氏。

「ここに住んでいる日本人、全員にいらしていただきたいですね。2名のローカルアーテスト作品、原画やスケッチの展示、とらやコラボなど、シンガポールだから実現できたコンテンツで、進化した展示になっています。1枚のチケットで、コンテンポラリーアートを楽しむほかにも、原点である藤子・F・不二雄氏のフィロソフィーを感じていただけたりと、さまざまな体験ができる場です」と語ります。

ローカルアーティスト2名の作品展示や、とらやカフェ、『THE ドラえもん展』限定ショップは、シンガポール国立博物館のフリースペースに設置されるため、『THE ドラえもん展』のチケットを持っていなくてもアクセスできるという点もうれしい驚きです。

大人も子どもも楽しめる『THE ドラえもん展』、絶対に見逃せません!

 

『THE DORAEMON EXHIBITION SINGAPORE 2022 THEドラえもん展』

会期:11月5日〜2023年2月5日
場所:シンガポール国立博物館(National Museum of Singapore)
93 Stamford Road
時間:10時〜19時(18時30分最終入場)
チケット購入はこちらから(https://www.klook.com/en-SG/activity/76323-the-doraemon-exhibition-singapore-2022/

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