こんにちは!年に1度はワイン産地を訪れたい、そんな旅行大好きソムリエ、渋谷です!
しかし当然ながら、もうかれこれ1年以上旅行に行けていません。
日本に住んでいれば国内旅行という手もありますが、シンガポールは決して広くないのでそんな気分にもなりませんよね…。
旅行が解禁したら、まずはどこに行こうかな?など密かな期待を抱いている方も多いかと思います。
なんて想像していたら外食も度々ダメになったりよくなったり、もうわけがわからなくて結局家飲みが増えているのではないでしょうか?
そりゃぁ色々ストレスたまりますね。。。
そういう時はワインを飲むしかないですね♪
じゃぁ飲みましょう!でもどのワインを…?
よくワイナリーツアーをパッケージにしての旅行がありますが、それでも中々行く機会のない国、場所ってたくさんありますよね。
例えばオーストリア、オーストラリアではなくオーストリア、有名ワイン生産国の一つでありながら、旅行先ではフランスやイタリアほど人気は高くないかと勝手に思っています。
中国は日本からもシンガポールからも近いので、私も上海には数度行ったことはあるのですが、ワイン産地となると行けるチャンスはそうそうありません。
それにこういった不慣れな国々のワインって、レストランやワインバーのメニューにあっても敬遠してしまいますし、不安さえありますよね。
ブドウを聞いてもわからない、というか読めない、香りも味も想像できない、それよりもその国のワインって美味しいの?と思うと、高いお金を出してまで冒険しようとは思いません。
それでしたらこの時期にまとめてお家で試してみるのはいかがでしょう?
もうおわかりかと思いますが、恐らく皆さんがあまり挑戦したことのない国のワインをまとめてご紹介いたします。
スペースの都合から一国一ワインしかご紹介できないのが残念ですが、今回も実際に購入したお店と値段、さらにその国の特徴も併せてご紹介しますので、是非お試しください!
渋谷 大輔(しぶや だいすけ)
2020年 アジア – フランスワイン ベストソムリエコンクール 準優勝
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe所属
<資格>
Certified Sommelier by Court of Master Sommelier
WSET Advanced Certified in Wine & Spirits
インターナショナルワインチャレンジ酒部門 准審査員
WSET Advanced Certified in Sake
<受賞歴>
2019年 シンガポール – フランスワイン ベストソムリエコンクール優勝/アジア大会シンガポール代表
2019年 シンガポール – アメリカワイン ベストソムリエコンクール優勝
さて、毎月テーマを変えてワイン講座を担当している私ですが、派遣元はSUN with MOON Japanese Dining & Caféという日本食レストランになります。
なので本当なら日本のワインをご紹介したかったのですが、日本のワインってあまり市販されていないんです…
ですので、まずはお店のご紹介だけさせてください。
OrchardのWheelock Place3階に位置し、180席もある広々とした日本食のお店は、吉兆出身この道数十年の超ベテラン日本人シェフが監修しております。
今年4月の改装で個室を3つ作ったので、イベントや会食では最大20名様までご利用いただけます。
今はまだ難しいですが、7名様用や10名様用など、少人数から大人数グループでのご利用も可能となります。
早くグループでの食事が可能になるといいですね。
さらに個室専用の寿司コースや鍋コースもあり、いつもとは違う楽しみ方が出来ます。
お寿司は目の前で握ってもらえますよ♪
余談ですが、私が一番好きな寿司ネタはタコです。
写真はイメージですが、やはり美味しそうです!
そういえば知っている方も多いかと思いますが、タコを好んで食べる国って、意外と少ないですよね。
骨がないからという理由で、悪魔の使いと例えられることが多く、なんとも可哀そうな話です。
ちなみにタコを釣ったら固いところにたたきつけて気絶させるんですよね…
このタコ!など悪口にもされて、もはや哀れにしか思えない生き物タコですが、日本と同じように美味しく料理する国はもちろんあります。
その一つは最初の国として紹介する、
エーゲ海で知られるギリシャ。
ほぼ全域が地中海に面しているため、ほとんどのワイン産地は年中乾燥して温暖な地中海性気候となります。
そんなギリシャは世界でも長いワインの歴史がある国で、その為聞きなれない地ブドウも多く、ザ・オールドワールドといった感じです。
シンガポールにも美味しいギリシャ料理屋さんが幾つかあり、ワインショップでもスーパーでもギリシャワインをよく見かけるようになりました。
ですので是非知っておくとよいでしょう。
白ワインも赤ワインも独特なものがありますが、今回ご紹介するのは白ブドウで一番有名だと思われる、アシルティコからのワインです。
Assyrtiko (アシルティコ)
タイプ:非発泡
色:白
価格:$59.00
購入場所:Providore
ギリシャの白ブドウは他にもサヴァティアーノなどありますが、アシルティコはシンガポールでもたまに目にするほど、広まってきていると実感しています。
独特なワイン生産文化を辿ったギリシャワインは、本当に面白いものが多く、中には松脂で蓋をして熟成させるなんてものも存在します。
想像つきませんよね?
甘口ワインも意外と多く生産されていて、ブドウも読めないワイン法もわからない、と言ったお手上げ状態で敬遠してしまってはもったいないんです。
実際に色々飲み比べてみると、私たち日本人の口によく合う、芳醇な香りで酸がキリっとした白や、ジューシーでフルボディーの赤ワインまで幅広い事に気づくと思います。
これを機に是非試して頂きたいです。
でもアルコールは高いものがあるので、購入する際にはラベルをチェックしてくださいね。
20年以上前にギリシャのある島を訪れたんですが、船着き場には観光客狙いのタコの串焼き屋さんがいて、いい香りに誘われて2本購入しました。
が、とたんにたくさんの猫に囲まれたので、猫好きの私としては全て献上せざるを得ない状況に…
しかも群れから小猫が1匹だけ離れていたので、心打たれてそいつに全て献上…
あれ、全員グルですよね、、、
気を取り直して、次の国は南アフリカ。
ワイン生産国としては比較的知られていると思います。
ですが、意外と飲んだことないかも、という方も多いかと思います。
ギリシャ同様地中海性気候となりますが、西部の方は南極から流れ込む海流の影響を受け、ちょっと涼しめになっており、ギリシャとは一風変わったワインが味わえます。
ブドウはシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンなど、いわゆる国際品種も多く栽培されていますが、代表的なブドウは2つあります。
まずチェックするべきなのは、フランスではロワール地方で栽培されている白ブドウChenin Blanc (シュナン・ブラン)で、南アフリカではSteen (スティーン)と呼ばれています。
もう一つは、こちらでご紹介するPinotage (ピノタージュ)というブドウの赤ワインです。
ピノ・ノワールと名前が似ていますが、その通り、Pinot Noir (ピノ・ノワール)とCinsaut (サンソー)というブドウの掛け合わせから生まれたブドウです。
サンソーは別名エルミタージュとも呼ばれ、ピノ+エルミタージュ=ピノタージュ、となりました。
Pinotage (ピノタージュ)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:$28.00
購入場所:Cold Storage
こちらのピノタージュですが、南アフリカの地ブドウとされながらも、実は生まれたのは100年程前。
ワインの歴史は凡そ400年以上あるとされていますが、ピノタージュの誕生は1925年と記録されています。
その後紆余曲折な時代背景があり、1990年代からワイン造りが活性化し、ピノタージュもどんどん世に出回るようになった、と言うわけです。
南アフリカでは香辛料を使用する料理も多く、やはり同じ土地の料理に同じ土地のワインがしっくりきます。
ピノタージュは辛いものに合わせやすい、ということで韓国料理にも合うワインとして紹介されたりしています。
韓国ドラマを見ながら飲んではいかがでしょうか?
3か国目は私も行きたいオーストリア。
アジア料理に合うワインとして知られています。
スイスやドイツにとても近く、やはり冷涼な気候なためキリっとした白ワインが有名です。
そして世界でもかなり珍しく、大都市に隣接するようにワイン畑があり、そこで本気のワインを造っています。
観光用の畑ではなく、本気なんです。
音楽と金融の大都市ウィーン、行きたい…。
この国はリースリングがとても有名で、なんと10年以上も熟成に耐えるものもあります。
実家に20年前のものがあるのですが、果たしていつ取りに帰れるのか…
ここは涼しい気候でありながら、しっかりした赤ワインもあり、バラエティーに富んだワインを生産しています。
ですが今回は初挑戦をテーマにしていますので、ベーシックなオーストリアの地ブドウGruner Veltliner (グリューナー・ヴェルトリーナー)をご紹介いたします。
Gruner Veltliner (グリューナー・ヴェルトリーナー)
タイプ:非発泡
色:白
価格:$50.40 (Take Out 30%ディスカウント後)
購入場所:The Wine & Gourmet Friends
このワインは、憧れのウィーンから車で1時間ほど西へ行った場所で造られています。
グリューナー・ヴェルトリーナーは和食によく合うワインとして知られており、寿司や天ぷらと合わせたり、他にも中華やタイ料理などアジア料理にもよく合わせたりします。
そしてこのブドウの特徴とされる香り、白胡椒に皆さん気づくでしょうか?
若いフレッシュなヴィンテージから、熟成させたしっかりめまで、楽しむ幅が広いこのブドウ、是非和食と一緒に楽しんでください。
ちなみにSUN with MOON Japanese Dining & Caféでは持ち込み料金を頂戴しますが、お店のワインをどれでもいいので1本ご注文ごとに、1本持ち込み無料となっております。
事前にご連絡の上、是非お気軽にお持ち込みください!
さて4か国目は中国。
ワインを造っていることは最近ではよく知られているのではないでしょうか。
私の見立てが間違っていなければ、こんな絶景スポットから車を走らせること3時間、今回ご紹介するGrace Vineyardのワイン畑が広がっています。
昨今では、各国の有名生産者が進出しているため、おかげで品質がとても向上しています。
世界有数のワイン生産地となる日もそう遠くはありませんよ。
シンガポールも中国語圏だけあり、中国ワインを得意としている業者さんもいるくらいで、今では色々なお店で見かけることができます。
ブドウは蛇龍珠という正しい発音がわからない読み方のブドウもあったりしますが、主にシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンなどの、いわゆる国際品種が栽培されているので助かります。
Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニョン)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:$61.60 (Take Out 30%ディスカウント後)
購入場所:The Wine & Gourmet Friends
これもブドウはカベルネ・ソーヴィニョンなので割と親しみがもてる味だと思いますが、ちょっとお値段が張るのは初挑戦としてはネックですね。
しかしカベルネ・ソーヴィニョンの代表産地ボルドーと比べても、決して引けを取らない濃厚な味わいが感じられます。
産地は、中国中央から少し北東に位置する山西省で、世界遺産や歴史的な建造物なども多く残っている、非常に興味をそそる土地です。
私は中国文化に詳しくないので色々調べたところ、ここはおなじみ刀削麺の発祥の地だとか。
他にも2000年以上の粉もの文化があり、300種以上もの粉もの料理があるとか。
日本で粉ものと言えば大阪を思い浮かべますが、もはや比較にならない程です。
中国語の話せない私にはハードルが高いかもしれませんが、美味しい料理と絶景スポットを求めて、是非とも行ってみたいです。
最後の国はポルトガルです。
ポルトガルと言うと、アルコールが高く甘味の強いポートワインの方が馴染みがあるという方が多いと思いますし、実家に料理酒としてポートワインが常備されていたというお家も多いのではないでしょうか。
ポートと言えば写真のような段々畑が有名です。
それはまたいつかお話するとして、このように酒精強化ワインも有名ですが、実はポルトガルはワイン自体の歴史がとても長い国です。
スペインの真西に隣接している海に面した国で、海側と内陸では気候が大きく異なり、いずれの産地も地ブドウを特徴として、とても面白いワインを生産しています。
ギリシャと同様、馴染みのない名前のブドウばかりありますが、今回はその中でもポートワインによく使われるブドウを使用した、クセの少ないワインをご紹介いたします。
Altano Douro Tinto (アルターノ・ドウロ・ティント)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:$28.00
購入場所:Cold Storage
Altano (アルターノ)というのは生産者名で、超大手ポートワイン生産会社Symington Family (シミントン・ファミリー)の傘下に入っています。
Douro (ドウロ)は生産地域でTinto (ティント)は赤ワインを意味します。
ちなみに日本でワインを始めて飲んだという噂の信長ですが、その赤ワインの名前・珍陀酒 (ちんたしゅ)は、ポルトガル語のティントが訛ったものらしいですよ。
ワインと歴史は繋がっているんですね。
こちらはTouriga Franca (トゥーリガ・フランカ)、Tinta Roriz (ティンタ・ロリス)など、ポートワインに使用する黒ブドウたちが程よくブレンドされており、しかもオーガニック栽培ブドウだというのにこの価格。
脱帽です…
このワインでなくても、お店のワインリストでポルトガルワインを選ぶときにTouriga (トゥーリガ)とつくブドウが書いてあれば、それはほぼ間違いなくポートワインに使用されるものです。
これらは比較的飲みやすいワインに仕上がるので、初めて試すときにはお勧めです。
ブドウ品種を店員さんに確認すると良いでしょう。
書いているうちにやはり飲みたくなり、今まさにこのポルトガルワインを飲んでいます。
ゆっくり飲んでいると段々香りが出てきて、非常にコスパの良いワインです。
他にも、ポルトガルワインにはもっともっと濃い~赤や、アロマティックな白など色々あるので、是非試して頂きたいです。
そしてポートワインをじっくり勉強していた時期があり、ポートワインも大好きです。
ですが、旅行解禁のあかつきには、去年行く予定をしていたニュージーランドドライブの旅に出るつもりです!
ポルトガルも行きたいですが、道産子だけありラムが大好きなので…ニュージーランドとても楽しみです!
皆さんも自由に外食ができるまで、それまでお家ワインをご堪能ください!
次回の講座のお知らせ
大人のたしなみ講座 『ワインの会』
〜スパークリングの王様シャンパーニュ〜
1. シャンパーニュの造り方と法律
2. 2つのロゼで実感する辛口度
3. シャンパーニュのグランクリュとは
4. ブレンドじゃない?白ブドウだけから造るシャンパーニュ
5. 黒ブドウから造るのに白いシャンパーニュ
6. 収穫年表記シャンパーニュ3種飲み比べ
レストランでよく飲まれているものではなく、
渋谷先生厳選の希少なシャンパーニュ体験ができる
かなり贅沢な内容なとなりますので、お見逃しなく
7月
21日(水)19:00~21:00 (120分) 満席
23日(金)19:00~21:00 (120分) 満席
26日(月)19:00~21:00 (120分) 満席
27日(水)19:15~21:15 (120分) 【残り6席】
参加費:1人$120 / 2人以上で申し込むと1人$115
最小催行人数9名
⇩過去回に参加できなかった方向けクラス⇩
過去回リバイバルクラス
”~ボルドーブレンドの美学~”
7月16日(金) 19:00~21:00 残り1席
参加費:1人$80 / 2人以上で申し込むと1人$75
最小催行人数9名
✨今回学べる内容はこちら⇩⇩⇩
1. 左岸と右岸の違いと見分け方
2.ボルドーワインの格付けとは
3. セカンドワインとは
4. ブラインドテイスティングの面白さ
5. 5大シャトー結成の歴史
6. 最高級デザートワインの貴腐ワインと格付け
場所:b. studio (チャイナタウン駅から徒歩3分)
Blk 34 Upper Cross St, #04-150, Singapore 050034
お問い合わせ&お申し込みは
📨メール teppei@byst.sg
WhatsApp +65-8138-4613
過去記事はこちらから
Vol.1 ~ワインとお正月ペアリングのコツ~
Vol.2 ~北海道地図から見るワイン~
Vol.3 〜ワインに咲く色とりどりの花〜
Vol.4 〜お茶とワインを記憶づける〜 テイスティングテクニック〜
Vol.5 ~BBQにオススメ!外で飲みたくなるワイン達〜
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe
Address: 501 Orchard Rd, #03 – 15, Singapore 238880
Tel: 6733 6636
https://www.sunwithmoon.com.sg/