こんにちは! 15年前までワインが一口も飲めなかったソムリエ、渋谷です。
突然の持論ですが、私はワインから全ての学問を学べると思っています。
ラベルを読むための言語、様々なラベルデザインからは美術、糖度や植密度などを計算する数学、ブドウ栽培の生物、土壌の地質学、他にも歴史や気象、科学だって学べます。
なので高校の教科でワイン学というのを作って、ブドウ栽培からワイン造りや販売まで一環して学べる科目を作ればいいのにと考えています(未成年の飲酒はダメですけどね)。
学生の頃はとにかく勉強嫌いだった私ですが、ワインを知ってから一番身についたものがあります。それは社会科の、その中でも特に地理です。
各国の位置関係、国土を巡る争い、有名・無名の山や川など、この15年間ワインを通じて覚えてきました。
その経験から、今月はワインにとって重要な、地理を楽しく覚えるするコツを紹介したいと思います。
意外とお子さんの教育にも役立つかもしれません!
渋谷 大輔(しぶや だいすけ)
2020年 アジア – フランスワイン ベストソムリエコンクール 準優勝
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe所属
<資格>
Certified Sommelier by Court of Master Sommelier
WSET Advanced Certified in Wine & Spirits
インターナショナルワインチャレンジ酒部門 准審査員
WSET Advanced Certified in Sake
<受賞歴>
2019年 シンガポール – フランスワイン ベストソムリエコンクール優勝/アジア大会シンガポール代表
2019年 シンガポール – アメリカワイン ベストソムリエコンクール優勝
さて、いきなり「稚内のちょっと下、北緯45度線上には幌延(ほろのべ)町とボルドーがあります!」なんて言っても訳がわからないと思いますが、、、
あ、ボルドーといえば!
1月の講座のテーマはフランスの2大産地の一つ、ボルドーです!
私のワイン講座では、毎月異なるテーマでワインを楽しんでいただきたいと考えており、しかも勉強嫌いな私ですから、最低限の知識で楽しんでいただけるよう工夫をしております。
2月は私の大好きな北イタリアワインになります。
実はイタリアン畑出身なので、ワインだけではなく各地の郷土料理や名産もご紹介したいと思います。
以外と知らないあの料理はあの地方だった、なんてのがわかればペアリングも簡単です。
今後も皆さんのアンケートを基にテーマを考えていきます。
是非ご参加ください!
(講座の問い合わせはwhatsAppにてTeppei +65-8138-4613まで)
私は北海道出身なのですが、担当するお店SUN with MOON Japanese Dining & Caféでは2月末まで北海道プロモーションを開催しております!
北海道といえば蟹!浜ゆで毛蟹には個人的にRiesling(リースリング)というブドウがいいなと思っています。
これは今後の講座テーマにしようとしているアロマティック品種の一つで、フランス・アルザス地方で有名なワインです。
芳醇な味わいが毛蟹の繊維質の身に絡んでいい感じです!
Riesling (リースリング 産地;アルザス)
タイプ:非発泡
色:白
価格:☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
帯広の豚丼にはカリフォルニアのZinfandel(ジンファンデル)がよさそうです。
程よい甘さのタレと、果実味たっぷりのジンファンデルは相性最高です!
Zinfandel (ジンファンデル)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆☆
ペアリング難易度:☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆
などなど、ここでは紹介しきれない数々のメニューに加えて、あの強炭酸ハイボールもありますよ~!
是非いらして下さい!
さて、ようやく本題の北海道地図から見るワインですが、恐らく皆さんもお気づきかもしれませんが、北海道ワインの事ではありません。
もちろん北海道でもワインを造っていますが、今回は視点をかえて北海道目線で世界のワイン産地を見てみたいと思います。
ワイン産地の特徴を知るのに緯度は重要な要素の一つで、そこから気候やらなんやらを加味してこんなブドウでこんな味で…など覚えていきます。
でもいちいち緯度を覚えるのは面倒くさいなぁ、という私のような方は、馴染みのある日本地図や出身の都道府県地図を思い浮かべてやると、おおよその位置関係が見えてきます。
なので北海道ではなくても、ご自身の出身地目線で地図を見ると新しい発見があると思います。
今月も価格や難易度、手に入れやすさなどを私の主観で☆を付けています。少しでも参考になればと思います。生産者や購入場所などにより価格は大きく振れますが、およそこんなイメージです。
それからワインの写真はイメージになりますが、全てシンガポールで手に入るものになっています。
☆ ~$30
☆☆ $30~$50
☆☆☆ $50~$100
☆☆☆☆ $100~$200
☆☆☆☆☆ $200~
私は生まれも育ちも札幌で、18歳から北見へ移動しました。北見と言えばカーリング娘で名前が知られましたね。あとは薄荷となぜか焼肉が有名です。
まず手始めに、札幌の緯度は大体北緯43度だそうです。北半球の丁度半分くらいですね。
世界地図を広げて北緯43度をずーっと横に辿っていくと、なんとフランスでは避暑地として知られるプロヴァンスにぶつかります!札幌の気温は冬はマイナスになのに!!地中海ならではの快適さでしょう。
プロヴァンスで有名な都市はマルセイユでしょうか。そしてワインで言えば何といってもロゼ。
プロヴァンスは世界のロゼワインの5%を生産しているほど、ロゼに特化した地域。
私もロゼは好きでよく飲みますが、残念ながらシンガポールではほとんどといっていいほど浸透していません。
ロゼ1本で魚、肉、前菜、メインとなんでも合わせられる優れもの。
これから来るかもしれないロゼブームの為に、今から飲んではいかがでしょうか?
Cote de Provence (コート ド プロヴァンス)
タイプ:非発泡
色:ロゼ
価格:☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
という感じで見ていくのですが、緯度が1度ズレるだけでも相当な距離の移動になるので、新しい発見だらけです。
緯度は0度~90度まで、対して赤道から北極点までの距離は10,000kmなので、1度はおよそ110㎞もの距離になるんです。
さて次に私がシンガポールに来る直前まで半年ほど住んでいた稚内だと、およそ北緯45.4度。
この辺だとフランスではローヌ地方、イタリアだと水の都ヴェネツィア近くの、プロセッコの生産エリアに相当します。
ローヌは黒ブドウ品種シラーで知られる赤ワインがとても有名で、特に女性に好まれるのかなという印象です。
プロセッコは皆さんご存知、シンガポールでは一般的なグラススパークリングワインですね。
水の都ヴェネツィアの快適さを知っている方には、稚内のオホーツクの寒さは想像できないと思います。やはり地中海性気候というのは憧れますね。
Crozes Hermitage (クローズ エルミタージュ)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆
道民以外では知られていないと思われる留萌(るもい)市は北緯43.5度くらい。これだとイタリアのフィレンツェとほぼ同じです。
フィレンツェと言えばT-ボーンステーキ!ワインだと赤ワインのキャンティが有名です。
赤ワインとお肉、最高です!
Chianti (キャンティ)
タイプ:非発泡
色:赤
価格:☆☆☆
T-ボーンステーキとのペアリング:☆☆☆☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
北海道南端あたり松前町だと、北緯41.2度くらい。ここはスペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナとほぼ一致します。
となるとやはりワインはスパークリングワインのカバでしょうか。
シャンパーニュと同じ造り方をしていて、コクのあるしっかりとした味わいのスパークリングワインです。
Cava (カバ)
タイプ:発泡
色:白(ロゼもあり)
価格:☆☆☆
手に入れやすさ:☆☆☆☆☆
逆にボルドーはどうかというと、およそ北緯45度くらい。
冒頭あたりで書きましたが、北海道で北緯45度線といえば幌延(ほろのべ)町!記念モニュメントも設置されていて、利尻富士も綺麗に見える町だとか。
すみません、行ったことはありません…。
ボルドーについては今月の講座テーマなので、ここでは触れないようにします。
と、この様な感じで、馴染みのある街があのワイン産地と一致した!なんてのがわかると、一気に親しみやすくなるかと思います。
ご存知の通り日本は縦に長い国なので、ほとんどの方の出身地はどこかしらのワイン産地に当てはまるのではないでしょうか?
九州最南端の佐多岬は北緯30.6度くらいなので、ここまでなら産地が見つかりそうですが、さらに南の沖縄だと温かすぎてワインを造るのが難しそうです…。
こうやって考えるとワイン産地も楽しく覚えられますし、お子さんとも地図で遊べますよね。
是非ワイン片手にお勉強を教えてあげてください。
出身緯度と同じ産地のワインを持ち寄る会、というマニアックな会も面白そう…。
次回の講座のお知らせ
大人のたしなみ講座 『ワインの会』
~北イタリアの8州~
2月11日(木)
昼の部 13:00~14:30(90分) 10席 <残り5席>
夜の部 19:00~20:30(90分) 10席 <残り4席>
2月18日(木)
昼の部 13:00~14:30(90分) 10席 <残り5席>
夜の部 19:00~20:30(90分) 10席 <満席>
⇩過去回に参加できなかった方向けクラス⇩
過去回リバイバルクラス
ブルゴーニュの香り
2月4日(木)
夜の部 19:00~20:30 (90分) 10席 <残り6席>
参加費:1人$80 二人以上で申し込むと1人$70
場所:b. studio (チャイナタウン駅から徒歩3分)
Blk 34 Upper Cross St, #04-150, Singapore 050034
お問い合わせ&お申し込みは
📨メール teppei@byst.sg
WhatsApp +65-8138-4613
過去記事はこちらから
Vol.1 ~ワインとお正月ペアリングのコツ~
SUN with MOON Japanese Dining & Cafe
Address: 501 Orchard Rd, #03 – 15, Singapore 238880
Tel: 6733 6636
https://www.sunwithmoon.com.sg/