【クラフトビール解体新書 vol.17】どんどん出来る!新店舗特集!

【2024年2月アップデート版】

皆様、2021年もビールを楽しんでいますか!?

早いものでバタバタとしているうちに2020年は終わり、新しい年を迎えてしまいました。

2020年の秋ごろからまた、多くの新しいクラフトビール店がオープンラッシュを迎え、1月の現在もまだ新しいお店が出来続けております。

新しいお店の特徴としては、ワークフロムホームの影響を受け、オフィス街近くではなく、住宅地を狙った店舗が増えていることが上げられるでしょう。

つまり、都心部に集中していたクラフトビール店が、今までなかったエリアに広がりつつあるという事で、クラフトビールがどんどん身近になっています。

お店のスタイルも今まで以上に多様になり、様々なスタイルでクラフトビールを楽しめるようになってきています。楽しみですねー!

それでは、紹介していきましょう。

<広瀬礼仁>
シンガポールのクラフトビール専門店「SG TAPS」店長兼ウエイター。
当地シンガポールにて、クラフトビール業界に5年程関わったのち、2018年4月に独立。ビールを始め、日本酒、ワイン、ウイスキーなど、アルコール文化に対する愛は誰よりも広く深いと自負している。

[PintHouse SG]【閉店】

2 Serangoon Road, Tekka Place Annex Building, # 01–55/56/57/58/59, Singapore 218227

リトルインディアの入り口にあるランドマーク的なモール「テッカ・マーケット」の、道を挟んで向かい。新しくできたショッピングモール「テッカ・プレイス」に併設されたフードコートの中にあります。

フードコートの2階にあり、フードコートで注文した食べ物と一緒にビールを楽しめるのが特徴です。

フードコートの中とは言え、このお店のテーブルや椅子は洒落たデザインの座り心地の良いもので、また、2階の奥にあるためフードコートの喧騒はなく、普通のクラフトビールバーと遜色ない、ゆったりした環境で飲むことが出来ます。

ドラフトビールはタイガーとギネス、アーキペラゴのクラフトビールが2種。パイントは13~14ドルほどですが、ネットプライスとなっており、リーズナブルに楽しむことができます。

ボトルのクラフトビールも数種類揃えています。

将来的にはワインやウイスキーなどにも力を入れていくそうですので、軽く一杯でも、しっかり飲み会でも、とても使い勝手がよさそうです。

リトルインディアの駅からすぐですので利便性が良く、ちょっと飲みたい時には非常に重宝しそうなお店です。

  • 価格:リーズナブル
  • タップ数:4
  • クオリティー:良い
  • 雰囲気:フードコートとは思えないオシャレさ
  • トイレ:きれい
  • アクセス:リトルインディア駅からすぐ
  • 一口ポイント:新しい「フードコート飲み」の形態

[Mirage]【閉店】

140 Owen Rd, Singapore 218940

こちらもリトルインディアのエリアにはなるのですが、ファラーパークの少し奥まったところで、クラフトビール店としては少し意外なところにあります。

周囲は古いショップハウスで、この「ミラージュ」もその並びの中にあるのですが、古びた風景の中を歩いていくと、おしゃれな外観のクラフトビール店が、まさに蜃気楼のように忽然と現れます。

インテリアのコンセプトも、砂漠に浮かぶオアシスの街のようなイメージで、どことなくアラビアンな雰囲気です。緑も織り交ぜたデザインはほっと落ち着きを感じられ、心地よくビールを飲めます。

タップ数は12。パイントは13ドルから20ドル以上のものまで。南アフリカのデビルズ・ピークを中心に(南アのビール販売会社さんが母体の様です)、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、日本など、幅広いバラエティーを揃えています。

オーダーのシステムは完全にタッチレスになっていて、スマホでQRコードを読み取り、そこのメニューからオーダー・支払いをするというもの。今のところはPayNowかクレジットカード決済のみになっていましたので、現金対応はしていないようです。また、オーダーするごとに支払いをしなければならず、まとめてお会計はできません。

フードのメニューはなかなかユニークで、焼き鳥や丼物を中心とした和食メニューに、ピタブレッドやフムスのような中近東の料理が織り交ぜられています。

バースナックにもイクラやふりかけが色味に使われているなど、かなり日本のエッセンスを取り入れたメニューです。

この店がなければ恐らく足を向けることのないエリアだと思いますが、この1年でこの辺りにはちょっとしたおしゃれカフェが数軒でき始めており、意外と今後注目のエリアになるかも知れません。

  • 価格:普通
  • タップ数:12
  • クオリティー:良い
  • 雰囲気:アラビアン
  • トイレ:派手な黄色。音響付き
  • アクセス:ファラーパーク駅近く
  • 一口ポイント:おしゃれで癒し系の今風ビアパブ

[Beer Force]

211 Holland Ave, #02-12, Singapore 278967

サーキットブレーカー中くらいにオープンした、クラフトビールのボトルショップ。

狭い店を覆いつくすビールの棚は圧巻で、どれを選んでよいのかわからなくなってしまう程。

基本はボトルショップなので、客席はほとんどありませんが、小さなハイテーブルが二つほど置いてあり、1~2杯くらいサクッと飲むにはよさそうです。ただし、基本は持ち帰り専門店ですので、長居したり数名で飲みに行ったりというのは歓迎されなそうです。

ちなみに、ドラフトビールはありません。おつまみなどもありませんし、持ち込むこともできないと思います。

少なくとも200種類以上のビールがそろっていると思われ、世界中のクラフトビールが集まっています。一般的な大手のクラフトビールから、かなりマニアックなものまで、相当なバラエティーです。

持ち帰り専門店ですので、価格もそこそこに抑えられています。

洒落た家具屋さんや食器・雑貨屋さんが多く入っている、ホーランドロード・ショッピングセンターに、いきなり登場したこの「ビア・フォース」は、隠れたクラフトビールスポットとして、ホーランドエリアのビール好きたちに重宝されていることでしょう。

  • 価格:リーズナブル
  • タップ数:なし
  • クオリティー:良い
  • 雰囲気:とにかくビールを詰め込んだボトルショップ
  • トイレ:まあまあ
  • アクセス:ホーランド・ビレッジ駅からすぐ
  • 一口ポイント:気軽に1杯飲むのには良い

[Yeast Side]

9 King Albert Park, #01-09, Singapore 598332

近頃、若者向けの洒落た飲食店がどんどんできている、ひそかに熱いエリア、キング・アルバート・パーク周辺ですが、これまた洒落たコンセプトのクラフトビール店が出来ました。

路面から見えるのは柄の長いタップの付いた、可愛らしいビールカウンターだけ。店の奥をのぞき込むとベーカリーの厨房が見え、数人のスタッフが忙しそうにパンを焼いています。

なんと、サワードウを看板商品としたベーカリーと、クラフトビールのお店なのだそうです。

カウンターでビールを飲んでいると、ひっきりなしに通行人が足を止めてはパンを買い求めていきます。ビール屋さんとしては珍しい光景です。

そのため、おつまみも基本はパンかキッシュ、ブラウニーなど。ビールのお供としてはあまり見ないですが、元々ビールとパンというのは似た者同士ですので、こういった組み合わせも面白いと思いますし、相性は良いと思います。

夜になるとお食事メニューとして、和牛丼、明太子サーモン丼など、丼物が追加されます。ビールに丼、流行っているのでしょうか?

ビールは12タップで、シンガポール、オーストラリア、香港、韓国など、ややアジア寄りの品ぞろえ。パイントは13~18ドル程です。

タップの付いたカウンターは非常におしゃれにデザインされており、暗く重くなりがちなビールバーのデザインとは対照的に、ナチュラルで明るめの色合いになっています。

二階にテーブル席があり、植物を取り入れた癒し系のインテリアで、ゆったりくつろぎながら飲める空間となっています。

今まではクラフトビールを探すのが大変だと言われていたブキティマエリアにも、どんどん新しいお店ができ始めました。しばらく目が離せなそうです。

  • 価格:普通
  • タップ数:12
  • クオリティー:よい
  • 雰囲気:カフェ的なナチュラル空間
  • トイレ:モールの中なので少し遠い
  • アクセス:キングアルバートパーク駅から少し歩く
  • 一口ポイント:ベーカリーとクラフトビールという新業態

[Fountain Microbrewery & Restaurant]

21 Jurong Town Hall Rd, Level 2 Snow City, Singapore 609433

ジュロン・サイエンスセンター横の人工降雪プレイグラウンド、スノーシティー2階にオープンしたマイクロブリュワリーです。

新規オープンとはいえ、ここの醸造設備は数年前からあり、Alpine→Poco Loco Italianと経営が変わり、このたびは以前のAlpineのオーナーが買い戻し、「ファウンテン・マイクロブリュワリー」として3度目の改装に至ったようです。

現在のビールは4種類。ラガー、ウイート、IPA、スタウトと、スタンダードで注文しやすい品ぞろえ。全体的にはクラシックなドイツテイストで、IPAもホップが華やかな現代風ではなく、昔ながらのモルトとホップの苦みが効いたもの。

どれも飲みやすく作られており、クラフトビールをあまり飲まれない方でも楽しめる味ではないかと思います。パンダンリーフやチェリーのフレーバーを加えたビールも準備中とのことで、楽しみです。

1パイントは18ドル均一と、少し値が張る印象ですが、日によって1 for 1などのプロモーションもあるようですので、ご来店前にチェックしてみると良いかも知れません。

フードは、カラマリやチキンウイングなどのスターター、ソーセージ盛り、フィッシュアンドチップス、ポークリブ、パスタ類などのメインと、スタンダードなバーフードとなっています。

どれもしっかりした味付けと量で提供されますので、数名でシェアしたり、ご家族でのお食事にもちょうど良いと思います。

ジュロン周辺ではマイクロブリュワリーは希少です。駅から少し遠いですが、タンクから直接サーブされるビールは新鮮さが違います。ぜひ一度行ってみてください。

  • 価格:やや高い
  • タップ数:4~6
  • クオリティー:まあまあ
  • 雰囲気:スキー場っぽい入り口が良い
  • トイレ:きれい
  • アクセス:中心地から遠いブリュワリーの一つ
  • 一口ポイント:意外にも歴史は長い

今回は新店舗特集とはいっても、数か月~半年前にオープンしていた店舗を集めました。

12月もいくつかの新しいお店がオープンしていますので、こちらもすぐにレポートしていきたいと思います。

冒頭にも書きましたが、新しいお店は全て、確実に中心部を避けて衛星的なロケーションを狙ってきています。

狭いシンガポールでも街ごとにそれぞれの特徴がありますので、そのエリアに特化したお店が増えてくると、必然的にお店のカラーも多様化されてきます。これはとても興味深いですよね。

まだまだ新しいネタが増えていることは、コラムを書かせていただいている身としても、ありがたい限りです。

これからも新店舗は積極的に紹介していきますので、楽しみにお待ちください。


シンガポールのおすすめクラフトビール

過去のクラフトビールコラムはこちら⇩
https://byst.sg/category/blog/food-drink/craft-beer/

SG TAPS
島内唯一シンガポールのクラフトビールが18種類、生で飲めるシンガポールビール専門店。 ボトルビールでは更に、日本、香港、ベトナム、台湾、インドなどのクラフトビールを揃え、アジアのクラフトビール文化を底上げしていきたいと考えている。 ラクサピザ、奄美鶏飯風チキンライスなど、ローカル、和洋食を絶妙に組み合わせたユニークなフードも人気。
https://www.facebook.com/SGTAPS13/

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