【&Hによる暮らしのノート】ヘルパー/メイドのいるシンガポールライフ vol.26

旦那様インタビュー Vol.3■
コンサルティングファーム シンガポール法人代表 Y氏

日々、ヘルパーさんと関わりが多くなりがちなのは奥様ですが、その奥様とヘルパーさんとの関係や家族の変化は旦那様の目にはどのように映っているのでしょうか?
そこで&Hはヘルパーさんとの暮らしに関して旦那様にお話をお伺いしてみました。 ヘルパーさんとの暮らしを客観的に一緒に見てみませんか?
雇用を検討されている旦那様、雇用している旦那様も必見です!

コンサルティングファーム シンガポール法人代表 Y氏

インドネシア人のヘルパーさん約3年間雇用しているご家族の旦那様にお話をお伺いしました。 旦那様の赤裸々なお気持ちをご覧ください。

Q. ヘルパーさんを雇うことについて、どのような印象を持っていらっしゃいましたか? また、実際にヘルパーさんを雇うことになったきっかけを教えてください。

A. そもそも、ヘルパーさんがいない中で、小さな子供を抱えてどのように奥さんがやりくりしているのか、わたしには全く想像できないんです。家では子供が二人共シンガポール生まれで、シンガポールでしか育児をした経験がないので、日本では一体どうやってうまく回しているのか正直言って想像ができません。ヘルパーさんの居ない生活が想像できないのです。そのぐらい、生活に不可欠な存在だと感じています。

奥さんの出産直後に住み込みナニーさんを2ヶ月間雇った経験があります。ヘルパーさんを住み込みで雇ったらこんな感じなのかというイメージはその時にできました。ただ、やはり色々な不安がありました。香港にいる日本人の友人で、ずっとヘルパーを雇っている家庭があり、3人目の子供を産んで2ヶ月後には仕事に復帰しました。その彼女に「ヘルパーと同居するのは不安じゃないんですか?」と聞いたところ、「ヘルパーを雇わないという選択肢はそもそもないので、大切なことは、良い人を選んで雇うことなんです」というアドバイスも、私の背中を後押しました。

それから、赤ちゃんの夜泣きで寝不足が続き、寝返りをうち、少しずつ動き出すようになって目を離せないようになるに伴い、もともとは穏やかな性格だった奥さんが常にイライラしている状態にあるのを何とか解決できないかという思いも強かったです。

Q. ヘルパーさん雇用についてお伺いします。どのようなプロセスを経て、雇用されたのでしょうか?

A. もともと住み込みのヘルパーを雇う以外にも、通いのヘルパーを雇うなど、様々な選択肢を検討していました。奥さんがリサーチした上で、エージェントに行って実際に面接をしてみようということになり、エージェントに訪問する前に色々な情報を入手していました。フィリピン人は英語が上手だから、子供や自分たちの英語スキルを伸ばすという点でもフィリピン人がいいのではないか、とか、前雇用主がシンガポール人の家庭だと厳しい環境下で働いている可能性が高い、とか。

その情報を元に実際に奥さんと一緒に面接に行きました。たくさんのヘルパーを面接しましたが、フィリピン人は総じて要求が高く、少し派手な印象がありました。二次面接で家に来てもらったフィリピン人もいましたが、どこか不安が残りました。

そんな時、今のヘルパーさんの面接をしました。インドネシア人で英語はあまり上手ではありませんが、真面目で謙虚でシャイな感じにすごく好感が持て、私たちの条件にぴったりでしたので、彼女に決めました。

Q. 初めて自宅に来た時の印象を教えてください。

A. 最初はとても不安でした。最初が肝心だと思い、ハウスルールを事前に事細かく決めて、書面にしておきました。

奥さんが言うことを私がPCで入力しながら一緒にまとめ、ヘルパーさんが来た初日にすぐその書面を元に一つ一つ説明していきました。

例えば、掃除の仕方、料理のこと、赤ちゃんのケアの仕方等々。今思えば、初めてのことだったので気負いすぎて、少し攻撃的だったかもしれません。

実際には、かなりスキルの高いヘルパーさんだったので、掃除の仕方や料理のこと等の細かいことは、もうすでに分かっていたと思いますし、彼女なりのやり方があったのだと思います。

Q. ご主人のまわりの方からヘルパーさんを雇っていることに関してどのように言われますか。

A. まわりの日本人の方に「我が家ではヘルパーを雇っている」という話をすると、「じゃあ、奧さんは働いているの?」と言われることが多いです。”ヘルパーさんを雇う=奥さんが働くための手段”として考えている方が多く、これは日本人男性の典型的な見方とも言えると思います。また、ヘルパーさんを雇うことによって「奥さんが楽をしている。贅沢をしていて専業主婦としての義務を果たしていない」と思っていらっしゃる旦那様も一定数いらっしゃるのではないでしょうか。

シンガポールでは、女性が男性以上にキャリアを築きあげ、ビジネスで成功している人がたくさんいます。それが出来ているのは、もちろん祖父や祖母と同居していることもありますが、やはりヘルパーなしでは実現できていないと思います。でも、それは奧さんが仕事をするためだけに雇っているわけではなく、生活で必要なことを適材適所で分担していることで、うまくマネジメントしながら、全体最適を計っているのではないかと思います。
ヘルパーさんを雇うことによって奥さんが自分のキャリアを模索する期間が確保できたり、自分の勉強のために時間を費やすことができます。さらに奥さんと子どもたちが向き合う時間が増えたり、生活の質を上げることができます。ヘルパーさんを雇用することによるポジティブな足し算があることをもっと知ってもらいたいと思っています。

ヘルパーさんとの暮らしを通じて、もし日本で奥さん独りが家事や子どもの面倒をみることを想像するとその方が異常だと思い始めました。日本では家事と育児に加えてフルタイムで働いている女性も多数いらっしゃいますが、これはとても大変なことにチャレンジしているのだと改めて思います。

日本に住んでいてまわりの人たちもそうしていると、男女問わずそれが当たり前だと認識してしまっていますが、それは少なからず無理をしたり、理想とすることを諦めているのかもしれません。シンガポールというヘルパーさんを雇用できる環境だからこそ、シンガポールにある日本企業が帯同している奥様のために積極的に雇用を推奨してもいいのかもしれませんね。

Q. ご自身のお仕事を通じて、ヘルパーさんとの暮らしに活かせる点がありましたらお聞かせください。

A. ヘルパーさんと一番長く接しているのは奥さんなので、基本的に彼女の判断でいろいろな決め事をしたり、指示をすべきだと思っています。私は、奥さんはヘルパーさんを雇う上においては経営者だと考えています。自分はCFO(Chief Financial Officer、最高財務責任者)。なので、奥さんが困っていることや悩んでいることに対して、話も聞くし自分なりのアドバイスもするけれど、直接ヘルパーさんに話すのは奥さんの仕事。マネジメントにおいては、トップダウンではなく家族のように、しかし一線は引くことを意識はしています。仕事柄、常にヘルパーさんのモチベーションがどんな状態になるのかも意識しますね。何と言っても、奥さんとヘルパーさんの相性がいいことが一番大切。

一時期、奥さんとヘルパーさんとの間に、お互いに不信感を持っていると感じられる時期がありました。しかし、契約更新の際に、お互い本音で話をし、その後またいい関係に戻ることができたのは良かったです。何といっても、奥さんが快適で安心して生活ができる状態が、子供にとっても家庭にとっても一番ですので。…そうすれば、私も怒られることが少なくなりますし 。笑

Q. ご主人の目線から、あったらいいと思うヘルパーさん関連のサービスがありましたら、お聞かせください。

A. 特に0歳から2歳の学校へ通う前の子供と長い時間過ごすケースが多いと思いますので、その年齢の子供との接し方のサービスがあればいいと考えています。本の読み聞かせとか、遊び方とか。また、日本語や英語での丁寧な言葉遣いを教えるサービスがあってもいいと思います。

それから、エージェント選びはハードルが高いと思いますので、ヘルパーを初めて雇う家庭のエージェント選びのハードルを下げられるサービスもあったらいいと思います。

Q. 最後に、ヘルパーさんとの暮らしに迷われているご主人、すでにヘルパーさんと暮らされているご主人へ一言お願いします。

A. ヘルパーさんに家事を分担してもらうことによって、奥さんのストレスが減り、夫婦仲が良くなりますよ。奥さんがいつも快適でいてくれると、リラックスできる家に帰りたくなるので、家族の時間も増えていいのではないでしょうか。

一方、雇っている人へのアドバイスですが、ヘルパーさんがいるからと言って奥様の家事や育児の負担が無くなった訳ではない事を忘れてはいけないと思います。ヘルパーさんが朝の7時から夜の9時まで仕事をしてくれますが、家の仕事は24時間続く訳ですし、複数の仕事を分担している訳ですから。家庭の主婦は、ヘルパーさんが家事や育児を分担してくれているとは言え、まだまだやることはいっぱいあって決して暇ではありません。家事育児はヘルパーさんがやっているからたっぷり時間はあるだろう、などと思ってしまっては大変なことになりかねません。笑


&H[アンドエイチ]は、2018年に外国人メイドさん/ヘルパーさんを雇用する主婦が集まり立ち上げたコミュニティです。外国人ヘルパーさんと良好な関係を築くためのヒントや情報などをお届けしています。

現在、ヘルパーさんに日本の家庭料理を学んでもらう料理教室を定期開催中。「美味しい和食が家でも食べられる!」「ヘルパーさんのモチベーションアップにもつながる!」と評判です。

他にも新作の「小説」「私のまわりのヘルパーさん」はもちろんのことヘルパーさん自身や雇用主の旦那様へのインタビューや雇用前の不安やトラブルに巻き込まれた経験を語り合う座談会の様子などの他ではなかなか手に入らない情報が満載です。

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