【&Hによる暮らしのノート】ヘルパー/メイドのいるシンガポールライフ vol.24

旦那様インタビュー Vol.2
IT起業家 K氏

日々、ヘルパーさんと関わりが多くなりがちなのは奥様ですが、その奥様とヘルパーさんとの関係や家族の変化は旦那様の目にはどのように映っているのでしょうか?
そこで&Hはヘルパーさんとの暮らしに関して旦那様にお話をお伺いしてみました。 ヘルパーさんとの暮らしを客観的に一緒に見てみませんか?
雇用を検討されている旦那様、雇用している旦那様も必見です!

IT起業家 K氏

今回はフィリピン人のヘルパーさん2年間、2人目となるフィリピン人ヘルパーさんを3ヶ月雇用しているご家族の旦那様にお話をお伺いしました。

Q. ヘルパーさんを雇う前についてお伺いします。それまで家事や育児などにどのように関っていらっしゃいましたか?

A. 私たち夫婦は共働きです。まだ日本に住んでいた頃に長男が生まれました。ちょうど長男が産まれる頃、私の仕事の変わり目だったため、約1年ほど時間にゆとりのある生活を送っていました。そのため家族のサポートを受けながら、私が中心となって息子の面倒をみていました。

当時、息子は日本で午前中2時間ほどの間、スクールに通っていたのですが、スクールへのお見送り、お迎えは私の担当でした。料理は作れませんが、洗い物は苦ではありませんでした。几帳面な性格も功を奏して、洗濯物を畳むことなども好んでやっていました。夜中に子どもが泣いた時の面倒やオムツ替えなども行っていました。妻にも伝えているのですが、心から自分の子供たちを愛しているのでお世話が全く苦ではありません。

今、仕事が多忙で出張がとても多いため、子供達と過ごす時間がかなり限られています。あの1年間は本当に貴重で、お金を払ってでもあの頃に戻りたいと思う時があります。あの時期があったからこそ、それを励みに現在こうやって仕事に邁進することができています。

Q. ヘルパーさんの雇用プロセスにどのように関わられたのでしょうか?また最初の印象はいかがでしたか?

A. 実は、ある日出張から帰ってきたら突然ヘルパーさんがいたんです。出張が多いため、自宅を不在にすることが多い生活を送っていることも影響しています。

LAに住んでいる知人がチリ人の方を通いで雇っているというのを耳にしたことがあったので、てっきり通いのヘルパーさんだと思っていました。ところが住み込みだとわかってびっくりしました。

次男が生まれたばかりでしたし、正直なところ子どものお世話をしてもらうことへの不安がとても大きかったです。見えないところで虐待をされるのではないかと考えることもありましたし、その懸念は今でもゼロではありません。

我が家では1人目に雇ったヘルパーさんがフィリピンに帰ったため、2人目となるフィリピン人ヘルパーさんを3ヶ月前に雇用したところです。1人目のヘルパーさんが働いている姿を見て、自分の仕事よりも子どもたちを優先していくれているんだということがわかり、少しずつ信頼を置けるようになり、ヘルパーさんとの暮らしについて考え方が変わってきました。

彼女とは他愛もない話をすることもありました。息子を迎えに行くためにスクールバスのドロップオフポイントまで一緒に歩いていた時には、彼女の息子さんが将来エンジニアを目指しているという話を聞いたりしたこともあり、私とも良好な関係を築けていたと思います。

Q. ヘルパーさんを雇用して、生活はどのように変化しましたか?

A. まず妻にゆとりが出来ました。お互いの中でピリピリすることも減ったと思います。雇用するまでは、どっちが何をするという線引きがありましたが、その線引きを設けなくても良くなりました。

そして住み込みだからこそ時間が有効活用できると思います。例えば彼女が洗濯や子どもを寝かしつけしてくれている間に夫婦二人の時間が持てるようになりました。結果、夫婦二人で会話する時間も増えました。夜に二人でお酒を飲むといったことはこれまで出来ませんでしたが、ヘルパーさんがいてくれるからこそ実現できます。

長男の時にやっていたように、私が次男のオムツを変えることも苦ではないのですが、あえて今はやっていません。ヘルパーさんとの役割を曖昧にするのは良くないと思っています。その分、長男と遊んだり、次男に本を読んであげるといった時間が増えました。生活全般にゆとりが持てます。

今ではヘルパーさんがいないと困ります。妻にゆとりが出来ることを考えると、子どもたちが大きくなったとしても雇い続けても良いと思っています。

Q. ヘルパーさんとの暮らしに不安や不満はありますか?

A. 1人目のヘルパーさんは多少気分の波があるタイプでしたが、仕事はオールマイティに何でもできるので、とても満足度が高かったです。気になる点は、長男との相性が合わなかったことですね。次男は生まれた時からお世話をしてくれていたからか我が子のように可愛がってくれていました。ただ人間には相性があるので、ある程度は仕方ないと思っています。

一方、2人目のヘルパーさんは正直なところ不安が大きいです。1人目のヘルパーさんと違い、子どもが泣いていてもあやすのは手元の仕事の目処が立ってからです。自分の守備範囲を決めている印象で、子どもに対する優先順位が低いと感じてしまいます。

彼女に限った話ではありませんが、落ち度があっても謝りません。先日、彼女が次男を抱っこしていたのですが、「足元が悪いから走らないで」と注意した矢先に、走ってしまい転んで次男が軽いケガを負いました。日本人だったら謝るであろうシチュエーションだと思いますが、謝罪はありませんでした。

彼女に限らず、外国人と接すると謝ることへの認識の違いを感じることは多々あります。彼らは日本人よりも裁判が身近なため、非を認めることは不利になるからか簡単には謝りません。これは雇用側が慣れるしかないと思います。

Q. ヘルパーさんと接するに当たり、気をつけていらっしゃることはありますか?

A. 雇用主の方の中にはヘルパーさんを自分より下と見なし、お金を払っているから使い倒すように接する方もいらっしゃるように見受けます。彼女たちは奴隷でも動物でもありません。自分の子どものお世話をしてもらう以上、尊敬の念を持って接した方が良いと思います。そうしないと子ども達に返ってくると思います。

それから「頑張ったからあげる」ではなくて「あげるからその分頑張って」という方が生産性が上がると考えています。仕事柄、外国人と一緒にチームを組んで仕事をしているのですが、先にインセンティブを渡すことでモチベーションが上がることを実感しています。文化の違いですよね。

また、雇用主であるこちら側が彼女にとって善かれと思ってやることが、響かないこともあるということにも気が付きました。日本への一時帰国に帯同してもらったことがあります。せっかく日本に来てくれているし、子どもたちのお世話も一生懸命してくれていたので、外食に積極的に連れて行こうとしていました。しかしある日、彼女は妻に「自分の時間が欲しいので家で待っていたい。」と言ったそうです。正直ショックだったのですが、それが彼女が望むことなのであればと、彼女のために買って帰ろう、と切り替えました。彼女たちが何を望んでいるのかをきちんと把握する必要がありますよね。

日本人はヘルパーさんを雇い慣れていないので、雇用主としての意識改革が必要だと痛感しています。

Q. 最後に、ヘルパーさんの雇用を考えている、雇用しているご主人に一言お願いします

A. 住み込みヘルパーさんを雇える環境なのでシンガポールに住んでいるのであれば雇用しないのはもったいないと思います。妻にゆとりができたことを始め、メリットがとても多いと感じています。

雇用の際には2つポイントがあると思います。まず1つ目は「トライアルでやってみる」ということです。仕事と一緒でPDCA【Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)】サイクルを早く回すことが重要です。検証に時間をかけず、またハードルを高く考える必要はなく、雇用してみて合わなかったらやめるというスタンスでとりあえず始めてみると良いと思います。

2つ目は「雇用するタイミング」です。シンガポールに住み始めて3ヶ月もすればある程度生活も落ち着き、情報も手に入ると思います。生活や子どもの環境が落ち着いた頃であったり、子どもが生まれる前の少し余裕があるタイミングで雇用を考え始めると落ち着いて検討できると思います。

また子どものタイミングもあります。子どもの年齢によって求められるヘルパーさんのスキルが違うと思います。例えば2人目のヘルパーさんは英語がとても綺麗なので言葉を覚え始めた次男にとっては本当に良い影響を与えれくれる存在です。一方で、長男はかなり英語が上達しているので、もし長男しかいなかった場合は彼女のスキルは活かせなかったかもしれません。

一度雇用してダメだったというのはタイミングが合わなかっただけかもしれません。それで諦めてしまうのは勿体無いと思います。なぜダメだったのかというのをきちんと情報共有できるといいですね。

繰り返しになりますが、今では住み込みヘルパーさんはとても有り難い存在です。子育てをする中で誰か大人が一人いてくれるというのは生活の質の向上に大きく影響すると思います。


&H[アンドエイチ]は、2018年に外国人メイドさん/ヘルパーさんを雇用する主婦が集まり立ち上げたコミュニティです。外国人ヘルパーさんと良好な関係を築くためのヒントや情報などをお届けしています。

現在、ヘルパーさんに日本の家庭料理を学んでもらう料理教室を定期開催中。「美味しい和食が家でも食べられる!」「ヘルパーさんのモチベーションアップにもつながる!」と評判です。

他にも新作の「小説」「私のまわりのヘルパーさん」はもちろんのことヘルパーさん自身や雇用主の旦那様へのインタビューや雇用前の不安やトラブルに巻き込まれた経験を語り合う座談会の様子などの他ではなかなか手に入らない情報が満載です。

詳しくはホームページをご覧ください。

ホームページはこちら

Facebookグループも運営中。Facebookグループでは先行・限定情報の配信、グループメンバー間での「こんな時はどうしたらいいでしょう?」「おススメの病院を教えてください」などの情報共有が行われています。

Facebookにて「シンガポール ヘルパー」と検索していただき、&Hのグループへご参加ください。

Facebookグループはこちら

Related posts

【&Hによる暮らしのノート】
ヘルパー/メイドのいるシンガポールライフ vol.38

【&Hによる暮らしのノート】
ヘルパー/メイドのいるシンガポールライフ vol.37

【&Hによる暮らしのノート】
ヘルパー/メイドのいるシンガポールライフ vol.36